交通事故による脊椎の損傷や脳梗塞、パーキンソン病など、治療の難しいけがや病気の治療の一つとして、今、「再生医療」の利用が期待されています。
「再生医療」は私たちがもともと持つ組織や臓器を修復・再生する能力を利用して、ケガや病気で組織や臓器が冒された場合に、幹細胞という細胞のタネを使って、形や機能を元通りに再生する最新の医療技術です。
幹細胞は、骨髄や臍帯血などから採取できることが知られていますが、歯の神経から採取できる歯髄細胞もまた、さまざまな再生医療に利用できることが明らかとなっています。抜歯する歯から採取できるので、体への負担が少ないことも大きなメリットですが、固い歯に守られた歯髄細胞は、紫外線など外からの刺激を受けないので、損傷が少なく、いつでも若々しい状態が保つことができ、再生医療のために保存する細胞としては理想的といえます。
歯髄細胞は、採取できる量が限られています。将来、再生医療に有効に活用するためには、細胞の量をある程度増やし、整った環境で長期保存をする必要があります。株式会社再生医療推進機構(ACTE)では、抜いた親知らずや抜けた乳歯から採取した歯髄細胞を培養し、大切に保管する「歯髄細胞バンク」の運営を行なっています。自分自身や家族、兄弟が、将来、大きなケガや病気にならないとは限りません。万が一に備えて、自分のため、家族のために歯髄細胞バンクを利用してみてはいかがでしょうか。
1.資料請求・お申込み
資料請求したあと、必要書類を認定歯科クリニックに提出するか、再生医療推進機構「歯髄細胞バンク」のホームページからお申込み手続きをします。
2.受診日決定、来院
後日、認定歯科クリニックから連絡が来ますので、歯の状態を確認するための受診日を決めます。当日は、歯髄が採取できるかどうか確認をして、問題なければ抜歯日を決めます。
3.書類の提出、抜歯
同意書や、健康調査票を提出し、当日に備えます。当日来院し、抜歯を行います。抜歯した歯は直ちに専用容器に入れられ、細胞保管施設へ送られます。
4.細胞の培養と保管
細胞保管施設で、細胞の培養や検査を行います。検査で問題がなければ
-196度で冷凍保管します。
5.バックアップ
先に取り出した細胞の一部を、細胞ニ次保管施設で同様の環境のもと保管します。
6.保管完了通知
ACTEから「保管完了通知」が送付されます。これで、将来保管した細胞での再生治療を受ける準備が整いました。
これまでの実績から約85%は細胞保管可能です。しかし、歯髄細胞の受入検査で細胞の感染が判明した場合、あるいは歯髄細胞が汚染等の理由で細胞培養(増殖)が出来ない場合があります。この場合の費用は全額返金、もしくは追加料金なしでもう1本の歯の保管に利用できます。>>料金について
歯髄細胞は、骨や血管、神経、心筋などの再生医療に応用しやすい細胞の一つです(間葉系幹細胞)。顎や歯の組織の再生治療だけでなく、脳梗塞や脊髄損傷、パーキンソン病などをはじめとした神経再生を中心に実用化が進むと予想されています。また、いろいろな体の組織になれる能力が期待されているiPS細胞が、歯髄細胞から効率的に作られることも明らかとなっており、再生医療だけでなく、難病の原因究明などへの応用が期待されています。
- 乳歯や親しらずが、どのような状態の時に、どこで抜歯したらよいのですか?
- 抜歯時期は提携歯科医療施設の歯科医師の診断によって決められ、そこで抜歯が行われます。
- 乳歯の細胞所有者は誰になりますか?
- 細胞の所有者はご本人です。但し、ご本人が未成年の場合、成人に達するまでは保護者の方が、細胞保管を委託される委託者となります。
- 細胞はどこで保管するのですか?
- 鶴見大学歯学部附属病院(横浜市)および板橋中央総合病院を中核とするIMSグループのアイル再生医療研究センター(板橋区)、シバタ再生医療センター(岡崎市)に提携の一次細胞保管施設があります。また、震災などの万が一に備えて、二次細胞保管施設で細胞の一部をバックアップ致します。どの細胞保管施設もGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理及び品質管理規則)に準拠したCPC(Cell Processuing Center:無菌細胞調整室)を備え、専門の技術スタッフが担当いたします。