
歯と口の健康週間

毎年6月4日から1週間展開されてきた「歯の衛生週間」が平成25年度から「歯と口の健康週間」に名称変更がされることとなりました。
これまでの「歯の衛生週間」では、国民への歯の衛生に関する正しい知識の普及啓発、歯科疾患の予防処置の徹底、早期発見、早期治療の励行を行ってきました。
国民全体の歯の寿命を延ばすことで、健康保持増進へ寄与することが目的でしたが、今回の名称変更により、歯だけではなく、歯を含めたお口全体への意識を高めることを狙いとしています。
歯やお口の病気といえば「虫歯」「歯周病」を思う方もいらっしゃるかと思いますが、この2つの病気の最終的な経過は、「歯の喪失」にあります。
歯が喪失すると咀嚼[そしゃく]機能が落ち、柔らかいものしか食べられなくなるなど食生活が変化し、この食生活の変化により、栄養の偏りによる生活習慣病を招いたり、食欲の低下による低栄養を招くことが考えられています。
特に、低栄養状態が長く続くと、タンパク質の摂取が不十分なことから起きる「筋力の低下」、そして「運動機能の低下」などを招くなど、つまり身体能力が損なわれることの要因になるとして非常に重要視されています。
また、お口の中の歯周病菌は、歯の周りに炎症を引き起こすだけではなく、だ液に混じった歯周病菌が肺に運ばれることで、誤嚥性[ごえんせい]肺炎が引き起こされたり、炎症性物質が血管に入ることで、動脈硬化を引き起こす可能性があると言われています。
今回名称変更となった「歯と口の健康週間」。身体の健康に繋がることもある歯やお口の健康状態について、 今一度考えてみてはいかがでしょうか。
2013.2.8