矯正治療は悪い歯並びやかみ合わせ（不正咬合）を治療する方法です。歯や顎の骨に弱い力をかける装置をお口に装着し、長い時間をかけてかみ合わせを治します。 矯正治療で改善できることは不正咬合の程度によって異なりますが、整った歯並びと正常なかみ合わせは歯の健康にとって大切なことです。

＜矯正治療の目的と改善できること＞

1. 歯磨きがしやすくなり、歯周病や虫歯などになりにくくなる
2. （お子様の場合）不正咬合が関係する顎の発育異常を防ぐ
3. 食べ物をかんだり、飲みこんだりする機能（咀嚼機能）を改善し、胃や腸の負担を軽減させる
4. 発音の改善 （隙っ歯、受け口、出っ歯などのケース）
5. 歯並びの見た目を改善して、心理的な負担を軽くする　…他

矯正治療の年齢制限はほとんどありません。今まで矯正治療をする機会がなかった人も、大人になってから治療を始めることができます。
ただし症状によっては、顎の骨が成長過程にあるお子さんの頃（7〜9歳）から治療を始めた方が、永久歯を抜かずに治療できる確率が高いケースがあります。お子さんの歯並びや顎の位置・形について何か気づいたことがありましたら、なるべく早く矯正歯科医院にご相談されることをおすすめします。

治療期間は不正咬合の状態や年令などによって異なります。部分的な矯正など1〜2年で改善するケースもありますが、上下の顎全体を矯正治療する場合は歯を動かす期間（動的期間）に約2〜3年を要したあと、動かした歯の位置を安定させて後戻りを防ぐ保定期間が必要です。
お子さんの治療（小児矯正）のように成長発育過程で治療する場合は、症状によって7〜8年かかることもあり、気長に治療をすることが必要です。
矯正治療は原則として健康保険が適応されない自由診療なので費用は医院によって異なりますが、初診から保定期間の通院までを含めた一般的な費用は、80万円〜100万円程度といわれています（金属製の表側矯正装置で治療した場合）。

痛みの感じ方には個人差がありますが、初めて装置を装着して歯が動きはじめるときの痛みが治療中で最も強く、その後はワイヤーを調整した日に多少の痛みを感じる程度です。装置が入ってから2〜3日は歯が浮いたような感覚になり、食べ物をかんだときに痛むこともありますが、4〜5日くらいで慣れてきますので日常生活にほとんど影響はないでしょう。
しかし、固い食べ物や粘着性のあるガムやキャラメルなどは、装置が外れたり壊れたりする恐れがあるので避けましょう。