子どもの虫歯治療の麻酔について

子どもの虫歯治療の麻酔について

お子様に虫歯がみられた場合、どのような麻酔を受けるのでしょうか?
ここでは、麻酔の種類や対応できる年齢などについてご紹介します。

麻酔の種類

子どもの虫歯治療で使用される麻酔を大きく分けると、局所麻酔法と精神鎮静法の2つがあります。

【局所麻酔法】
部分的に作用させる麻酔のことで、薬剤の浸透によって痛みを抑えます。主に次の方法が用いられます。
  • 浸潤麻酔法
    歯茎や粘膜、骨膜などに局所麻酔薬を注射し、その周囲に浸潤させて痛みを麻痺させます。歯科治療中の痛みの軽減に、最も用いられる方法です。
  • 表面麻酔法
    薬液や軟膏、ゼリーなどの麻酔薬を歯茎や粘膜に塗って、その表層部分の痛みを緩和します。注射の針が刺さるときや、膿を切って出すとき、根のほとんどが吸収された乳歯を抜くときなどに用いられます。
    ※局所麻酔を受けた後の注意点…術後1〜2時間は局所麻酔の効果が続きます。しびれた感覚が気持ち悪かったり、痛みを感じなかったりすることで、唇や頬の内側を噛む、または爪で傷つけるお子様もおられます。傷ついた部分が腫れたり、化膿したりすることもありますので、させないように注意しましょう。また、誤って噛むことを防ぐために、麻酔がさめるまで食事は控えましょう。
【精神鎮静法】
治療に対する緊張や不安、恐怖感が強い場合、治療中に手足のしびれ・動悸・めまい・呼吸困難、ひどい場合には意識障害などが起こることもあります。精神鎮静法は、局所麻酔だけでは対応できない場合に用いられ、心身をリラックスさせて、痛みも感じにくくなることが期待できます。しかし、精神鎮静法だけでは治療中の痛みは軽減できないので、併せて局所麻酔法を受けることが必要です。主に次の方法が用いられます。
  • 笑気吸入鎮静法
    鼻に吸入器を装着して、身体につけたセンサーで全身状態をみながら、笑気ガスを吸入させる方法です。笑気ガスは、吸入を停止すれば速やかに鎮静状態から回復するため、小児歯科で用いられることの多い方法です。
  • 静脈内鎮静法
    点滴をして、身体につけたセンサーで全身状態をみながら、薬剤を投与する方法です。
    ※静脈内鎮静を受けた後の注意点…ふらつきが半日程度残ることもあるため、自転車の運転やローラースケートなどはさせないように注意しましょう。

対応できる年齢など

適応できる年齢に制限はありません。しかし、精神鎮静法は、健康状態によって受けられないこともあります。詳しくは担当の歯科医師にご相談ください。

激しい痛みや腫れが出てからの治療では、麻酔が効きづらいこともあります。虫歯をみつけたら、早めに受診しましょう。


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