舌痛症とは 〜慢性的に起こる舌の痛みやしびれ〜

お口の中の痛み

舌痛症とは、舌に病変や、お口の中に痛みの誘発原因が認められないにもかかわらず、舌に慢性的な痛みやしびれなどの症状がみられる病気です。舌痛症は心因的要因が大きいとされており、心身症の一種として治療を行われることが多いとされています。

舌痛症にみられる特徴

<原因>
ストレスや大きな不安をかかえていたり、極度の肉体疲労であったり、その時期に歯科治療を受けたりしたことで、これを契機に発症することがあります。
<発症年齢>
男女とも30代〜50代前半で、とくに更年期前後の女性に多くみられるといわれています。
<症状と傾向>
  • 痛みやしびれなどの症状が長期間続く
  • 発生する部位は、舌の先や縁に多いが、舌の奥や中央が痛むこともある
  • 日によって痛みやしびれる部位が移動することもある
  • 食事中や何かに熱中している間は、舌の痛みやしびれを感じない、または支障がないことが多い
  • 舌に炎症や潰瘍などの病変や、お口の中に痛みの誘発原因がない
  • 病理検査や血液検査で異常が認められない

舌痛症の治療

<どこで受けられるの?>
舌痛症の治療は、心療歯科を設ける歯科で行われています。お近くにない場合は、一般的な歯科医院や、歯科のある総合病院・大学病院などで相談しましょう。

<治療方法>
症状に合わせて投薬治療や心理療法などが行われます。虫歯歯周病など治療が必要な部分があれば、時期をみながら適切な処置を行います。

舌痛症への対策

■心身の健康を保つ
バランスの良い食事や、適度な運動や気分転換でストレスを解消、不規則な生活を改めるなどをし、日頃の生活習慣を整えましょう

■お口の健康を保つ
虫歯や歯周病を放っておいたり、入れ歯やさし歯が合わずに舌を傷つける刺激があったり、お口の中が不潔な状態であったりすると、舌の異常だけでなく、お口の中のトラブルが起こりやすくなります。毎日のブラッシングを丁寧に行うことと、定期的な検診を受けることで、お口のトラブルを予防しましょう。

舌痛症以外にも舌のトラブルはあります!

舌痛症以外に、舌に病変が認められないが、舌の痛みやしびれなどの症状がでることもあります。主な原因として、下記の事項が挙げられます

  • ビタミンB12、鉄、亜鉛の欠乏
  • カンジダ症
  • 糖尿病
  • お薬の副作用
  • 口腔乾燥症

これらの場合は、視診や、病理検査、血液検査などで発見することができ、それぞれに応じた治療や対策を受けることができます。場合によっては、内科と連携をとり治療を行うこともあります。 なお、舌にびらん(粘膜表面の荒れ)や潰瘍(できもの)などがある場合は、口内炎や、舌がん、合わない差し歯や入れ歯など舌を傷つける原因がある、お口の中の不衛生などが考えられます。口腔がんの初期症状は口内炎と区別がつきにくいことがあります。症状が2〜3週間持続する場合は、歯科医師に相談しましょう。


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