子どもと虫歯の付き合い方 〜乳幼児編〜

子どもと虫歯の付き合い方

お子様の歯を虫歯から守るためには、乳幼児ころからお口のケアに注意することが大切です。ここでは、お口の環境づくりのポイントについてご紹介します。

まずは虫歯になる原因を知りましょう 〜生まれる前に〜

虫歯の原因は、プラーク(歯垢)とよばれる細菌のかたまりです。歯に付いた食べカスやブラッシング不良による磨き残しは、時間が経つとお口の中にいるミュータンス菌と混じり合ってプラークとなります。プラークは、飲食物に含まれる糖分をエサとして増殖し、さらに時間が経つと酸が作られます。この酸によって歯の表面が溶かされると、虫歯が発生します。

ミュータンス菌の感染を防ぎましょう 〜生まれたばかり〜

生まれたばかり赤ちゃんのお口の中には、ミュータンス菌が存在しないと言われています。成長過程のどこかで周りの人の唾液によって感染するため、まずはそれを防ぐことがポイントです。赤ちゃんと接する際は、食べ物の口移しや、お箸やスプーンの共有、口の周りにキスをしないことなどが望ましいでしょう。また、赤ちゃんと接する方は、歯の治療をきちんと受ける、または予防に努めるなどをして、お口の細菌の数を減らしておくとよいでしょう。

正しい食生活を送りましょう 〜授乳が必要な時期〜

【哺乳びんにミルクやお茶以外のものを入れない】
哺乳びんにジュースや乳酸飲料など入れて長時間くわえていると、上顎の歯の表側(唇側)に溜まってしまい、その部分が虫歯になりやすくなります。哺乳びんにミルクやお茶以外のものを入れないようにしましょう。
【就寝時や夜間の授乳に注意】
就寝時や夜間は唾液の分泌量が少なくなりますので、虫歯がより発生しやすい状態になります。歯が生えてきたら、母乳やミルクを寝ながら与えたり、夜間に与えたりすることは控えていくことが望ましいでしょう。難しい場合は、授乳後に濡らしたガーゼで歯を拭くか、白湯や緑茶を飲ませるとよいでしょう。
【卒乳は1歳を目標に】
離乳期を過ぎても長期にわたって就寝時に母乳を与えることや、ミルクを哺乳びんに入れて飲ませることなどを続けると、虫歯のリスクが高まります。授乳は1歳を目安に卒業するとよいでしょう。

歯磨きに慣れさせましょう 〜奥歯が生え始める前に〜

歯磨きに慣れさせましょう歯が生え始める前〜前歯だけが生えているうちは、濡らしたガーゼで歯を拭き、お口の中を触られることに慣れさせておきましょう。その際の注意点としては、小帯(唇と歯茎の境目の筋)を指で引っかけたり、強く押さえたりしてしまわないようにしましょう。痛みを感じると、触られることを嫌がる大きな要因となってしまいます。力を入れずに行いましょう。

また、この時期から歯ブラシに慣れさせるために、歯ブラシを持たせて遊ばせることも有効です。なお、歯ブラシを持たせる際は、小児用歯ブラシを使うようにし、のどや目などをつくことを防ぐためにしっかり監視しましょう。奥歯が生え始めたら、毎日丁寧にブラッシングを行うことをお勧めします。

【お口の中を触られることを嫌がるお子様への対応法】
お子様に手鏡を持たせてお口の中の様子を見てもらうとよいでしょう。鏡に映る姿に興味をもっている間に掃除することができ、また、何をされるか分からないという恐怖心が消えて、お口の中を触られることを受け入れられやすくなります。

フッ素を利用してお口の環境を整えましょう 〜うがいができたら〜

薬局やスーパーなどで販売されている「フッ素配合の歯磨き剤」や、歯磨きの後に使う「フッ素配合ジェル」などの低濃度のフッ素は、プラーク中の細菌の働きを弱めて、酸を作る力を抑えます。うがいができるようになったら使い始めることができますので、適切なブラッシングと併用すると抵抗力がより高まるでしょう。また、歯科や自治体の健康診断の際に高濃度のフッ素を塗布してもらい、歯の質を強化するという方法もあります。

定期クリーニングに通いましょう 〜歯がすべて生え揃ったら〜

一般的には、3歳頃に20本の乳歯が生えそろいます。3歳を過ぎたら、虫歯を防ぐために、大人と同様に一年に1〜2回検診を受けておくとよいでしょう。定期的に健診を受けておくこと、お口の状態に合わせたクリーニングや食生活のアドバイスを受けることができますので、お子様の歯の健康を長く保つことができるでしょう。


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