歯のエナメル質(表層部分)は硬い組織でできていますが、食事や飲み物に含まれる酸や胃酸に触れると一時的に柔らかくなり、歯のミネラルが失われます。この状態で、歯磨きや、歯ぎしり、食いしばりなどをするとエナメル質が削れやすく、時間の経過とともに歯が薄くなってしまいます。このように酸が主な原因で歯が溶けてしまうことを「酸蝕歯」と言います。 |
下記に該当する事項が多い方は、酸蝕歯の可能性が高い方です。該当する症状があれば、なるべく早めに歯科医師と相談しましょう。 <酸蝕歯によく見られる症状>
|
酸蝕歯となってしまったら、自然に元に戻すことはできません。そのままの状態で放っておくと、歯の中にある神経が損傷したり、噛み合わせに問題が生じたりする恐れがありますので、疑いがあれば早めに受診しましょう。 |
酸蝕歯の治療は、お口の状態や、生活習慣によって異なりますので、お近くの歯科医院を受診し、どのような治療になるのか相談しましょう。 |
お酢や、炭酸飲料、クエン酸やリンゴ酸を含むスポーツ飲料、柑橘系の果物や飲料、ワイン、フルーツティなどは特に酸性度が高く、摂取した後は歯が一時的に柔らかくなってしまいますので、下記のことに注意しましょう。 ■お口の中で長時間溜めておかない ■スポーツの前後や就寝前は、酸性度の高い飲食を控える スポーツ中や寝ている間は、唾液の量が少なくなるため、酸が中和されにくくなります。スポーツの前後や就寝前は、摂取を控えた方がよいでしょう。 ■飲食後30分は歯磨きを控える 軟化した歯が削れるのを防ぐため、飲食後30分は歯磨きを控えましょう。 ■歯質の強化を促す製品を利用する フッ素やリカルデント(CPP-ACP)を含む製品は、再石灰化の促進を期待することができます。これらを含む歯磨き剤や、歯磨きの仕上げに使うジェルやペーストなどもありますので、上手に使って歯質を強化するとよいでしょう。使用方法については、歯科医師や衛生士に相談しましょう。 |