歯周病の種類 ―歯肉炎―

歯肉炎の症状
▲ 歯肉炎の症状
歯肉炎とは、歯周病の一つで、歯周組織のうち歯茎にだけ炎症が起きている状態をいいます。歯肉炎は、単純性歯肉炎、複雑性歯肉炎、歯肉外傷に分けられます。それぞれの特長についてご紹介いたします。

1. 単純性歯肉炎

プラークによって歯茎に炎症が起こったもので、歯肉炎のほとんどがこれに分類されます。

2. 複雑性歯肉炎

プラークだけではなく、全身性因子、または特殊な局所因子が関係し、歯茎に炎症が起こったものです。複雑性歯肉炎には、主に下記のようなものがあります。

  • 妊娠時、思春期、月経時などホルモンバランスの乱れも関与したことで起こる歯肉炎
  • 『フェニトイン(ダイランチン)性歯肉炎』
    →抗けいれん薬の服用も関与したことで起こる歯肉炎
  • 『ニフェジピン性歯肉炎』
    →降圧剤の服用も関与したことで起こる歯肉炎
  • 『急性壊死性潰瘍性歯肉炎』
    →お口の中にいる細菌(紡錘菌とスピロヘータ)の増殖と、ストレス、喫煙、栄養障害なども関与したことで起こる歯肉炎
  • 『慢性剥離性歯肉炎』
    →甲状腺機能の異常、ビタミン欠乏、性ホルモン異常、栄養失調なども関与したことで起こる歯肉炎

3. 歯肉外傷

歯肉外傷とは、物理的な力(歯ブラシや硬い食べ物)、薬物、高温などが原因で歯茎が損傷したものです。時間の経過で自然に治癒することを待ちます。プラークがあると炎症が大きくなることもありますので、お口の中をブラッシングで清潔に保つことが大切です。

歯肉炎のうちに、治療を行っておくこと、毎日の丁寧なブラッシングを行うことによって、進行や悪化を抑えることができます。生涯にわたって自分の歯で過ごすためにも、一年に1〜2回は検診を受けておくとよいでしょう。


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