腫れ・膿・痛み・歯の動揺を引き起こす顎骨骨髄炎

顎骨骨髄炎[ がくこつこつずいえん ]とは、顎骨の内部にある骨髄に炎症がみられる病気で、歯の病変が関与して起こることが多いといわれています。ここでは、顎骨骨髄炎の原因、症状、治療法についてご紹介します。

顎骨骨髄炎を引き起こす原因

顎骨骨髄炎を引き起こす原因として、下記のようなものがあります。

  • 虫歯歯周炎などの炎症が波及したことによるもの
  • 顎の骨折や腫瘍などの二次感染によるもの
  • 抜歯後に細菌感染したによるもの
  • 根管治療の際に使用した薬剤の刺激によるもの
  • 骨粗鬆症の治療のために「ビスホスホネート剤」を服用、または注射をしたことがあるが、適切なコントール受けずに、抜歯やインプラント治療などの外科処置を行ったことによるもの
  • 糖尿病などの全身疾患や、栄養障害、 生体の免疫力の低下や代謝障害など全身状態によるもの

症状について

〔局所的な症状〕
  • 痛み
  • 口腔粘膜や皮膚が腫れや、赤くなる
  • 歯の動揺、周辺の歯の動揺
  • 膿が出る
  • リンパ節の腫れ
〔全身的な症状〕
  • 高い発熱
  • 食欲不振
  • 倦怠感

このようにさまざまな症状が現れます。該当する症状が現れた場合は、かかりつけの歯科医院か、口腔外科のある歯科医院に相談しましょう。症状やお身体の状態によっては、十分な医療設備が必要となり、一般の歯科医院では治療が受けられないこともあります。その場合は、口腔外科のある総合病院、または大学病院で受けることになります。

治療法について

適切な治療方法は診断によって異なります。詳しくは歯科医師と相談しましょう。下記は、主に行われる治療です。

  • 原因の除去
    根管治療、歯周治療、抜歯などを行う。
  • 薬物療法
    抗生剤を投与する。
  • 局所洗浄療法
    骨髄の病変部を薬剤で洗浄する。
  • 手術療法
    炎症を起こしている骨を削り取る外科手術を行う。

顎骨骨髄炎になってしまうと、治ることに時間がかかったり、治療が難しくなったりすることもあるようです。歯の病変が関与して起こることが多い病気とされていますので、日頃から歯科を利用してお口の健康を保ちましょう。


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