ブリッジと接着ブリッジ

ブリッジ治療

ブリッジとは、失った歯の『隣にある天然歯』を土台として人工歯(ブリッジ)を被せて、抜けた歯を補う治療方法です。ブリッジ治療のなかの一つに接着ブリッジという方法があります。従来の治療と比べて歯を削る量がとても少ないことが特徴です。ここでは「従来のブリッジと接着ブリッジの違い」、「メリット・デメリット」、「治療を行える条件」についてご紹介します。

従来のブリッジと接着ブリッジの違い

<従来のブリッジの場合>

従来のブリッジ 主に、土台の歯を覆うように人工歯を被せる(※1)治療法です。土台となる歯が健康な歯(未治療の歯)の場合、人工歯を被せるために40〜75%歯を削る必要があります。また、これにより歯の中にある神経に刺激が加わることもあり、その場合は神経を取り除く治療(抜髄根管治療)が必要となります。 人工歯を付ける際には「合着セメント」を用いることが多く、セメントが人工歯や歯との隙間に入り込んで硬化し、その摩擦力によって人工歯を保持させています。したがって、人工歯が外れにくい形態を得るために、歯を削る量が増えてしまうこともあります。

※1 従来のブリッジの種類には、歯をすっぽりと覆う「クラウンタイプ」と、歯の一部を覆う「インレータイプ」があります。治療方法の選択は、お口の状態によって異なります。

<接着ブリッジの場合>

接着ブリッジ 主に、土台となる歯の裏側(口蓋側、舌側)に人工歯を貼り付ける治療法です。土台となる歯のうち、少なくとも1歯の切削をエナメル質(歯の表面にある硬い層)にとどめる必要がありますので、歯の切削量が少なくてすみます。また、健全なエナメル質が十分に残っていないと脱落しやすい傾向にあるため、象牙質が露出している歯には適さないといわれています。 人工歯を付ける際には「接着セメント」を用い、その高い接着性を利用して歯に装着させます。

接着ブリッジで治療を行える条件

接着ブリッジの治療を行うためには、いくつかの条件があります。これらの条件を満たさない場合、治療を受けることは難しいでしょう。

【接着ブリッジで治療を行える条件】
  • 失った歯(治療の対象となる歯)の数が1〜2歯であること
  • 土台となる歯が生活歯(歯の中の神経が生きている歯)であること
  • 健全なエナメル質が十分残っていること
  • 噛み合わせや歯並びに問題がみられないこと
  • 歯周疾患によって歯のぐらつきがみられないこと
  • 歯ぎしりや食いしばりを行わないこと
  • 虫歯リスクが低いこと
  • 土台となる歯や顎の骨が、人工歯を支えられること

メリット・デメリット

【メリット】
  • 土台となる歯の切削量が少ない
  • 自分の歯を多く残すことができる
  • 歯の中の神経に刺激が加わることが少ない
【デメリット】
  • 治療対象が限られる
  • すべての歯科医院で受けられる治療ではない

歯を失った場合の治療の選択肢は、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。どの治療方法にもメリット・デメリットがありますので、担当の歯科医師とよく相談して治療方法を選びましょう。


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