抜歯後、出血が止まらない時の対処法

出血が止まらない

抜歯をしてガーゼを噛んでから30分以上経過しても血が止まらない場合や、一度血が止まった後に再び出血する場合に、考えられる要因や、対処法、十分に止血できなかった場合に起こることについてご紹介します。

出血が止まらない場合に考えられる要因

  • ガーゼをしっかり噛んでいなかった
  • うがいのしすぎや、傷口を舌や、指、歯ブラシで触るなどをして、血餅(※)が剥がれ落ちた
  • 過激な運動や、熱い湯船につかる、飲酒などをして、血圧が上昇し傷口が再び開いた
  • 傷口に問題がある
  • →静脈が傷ついている
    →抜いた部分の歯茎や骨に付着している不良な組織(肉芽組織)が残っているなど
  • 全身的な問題が関与している
  • →血液や肝臓などに問題がある
    →常用しているお薬が関係している
※血餅とは
ゼリー状にかたまった血液のことで、皮膚でいうところのかさぶたのようなものです。血餅は、外界からの刺激を遮断して、止血や傷口の治りに重要な役割を果たします。

対処法

■基本的な対処法
清潔なガーゼ、なければティッシュなどを、自分の歯(歯冠部分)と同じくらいの大きさに丸めて、30分間しっかりと噛み続けます。その後、出血量が減れば、問題ないでしょう。この時、傷口を見たり、ガーゼを取り換えたりすることは止めましょう。

■基本的な対処法後にもまだ出血が気になる場合
引き続き30分間ガーゼを噛み続けましょう。

■出血し続ける場合
ガーゼを噛んでいても血が持続的にたくさん溢れてくる場合、または、30分ガーゼを噛んでも出血量が変わらない場合は、傷口に問題がある、または全身的な問題があることも考えられます。速やかに治療を受けた歯科医院に連絡し、症状を伝えましょう。

もし、治療を受けた歯科医院がお休みの場合は、休日や夜間に歯科診療を行っているところを探して連絡しましょう。(各市町村の歯科医師会か役所のホームページ、または各市町村が発行している新聞や冊子などに、その連絡先が掲載されていることがあります。)

抜歯した当日〜2日後は、唾液に血が混じったり、血の味がしたりすることはありますが、異常がなければ出血や痛みも徐々に軽減するでしょう。

十分に止血できなかった場合どうなるの?

ドライソケット抜歯をすると、その部分の顎の骨が露出します。通常は、その部分が血餅で覆われることで、外来刺激や感染から守られて傷口が治っていきますが、血餅が十分に形成されなかったり、剥がれ落ちたりすると、露出した骨面が炎症を起こしてしまいます。これをドライソケットといい、抜歯した2〜3日後から次第に痛みが強くなります。ドライソケットになった場合の治療は、傷口の洗浄や消毒をして抗生物質を入れたり、傷口内部を掻き出して(掻爬して)再出血させて血餅を形成させたりします。場合によっては、痛みが治まるまで2〜4週間かかってしまうこともあります。

歯を抜いた後は、その部分を触らないようにして、安静に過ごしましょう。また、感染などのトラブルを避けるため、処方されたお薬を指示通りに服用するように注意しましょう。


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