歯科治療の際に、全身麻酔(※1)や精神鎮静法(※2)のもと全身状態を管理しながら行われることがあります。歯科医師は、歯科治療を目的とした場合に限り、全身麻酔や精神鎮静法を行えることが法律で認められています。しかし、ある一定の知識や技術を要するため、すべての歯科医師が行えるわけではなく、大学の歯科麻酔学講座や、医科における麻酔研修で経験を積んだ歯科医師だけが行っているのが現状です。ここでは、歯科麻酔医の主な仕事の内容についてご紹介します。 (※1) 全身麻酔 |
歯科麻酔医は、主に決まった大学病院や総合病院、または一般歯科に所属していることがほとんどで、このような業務と平行して歯科治療を行っている歯科医師もいます。また、連携している歯科医院から要請があった場合に、全身管理や精神鎮静を行うために出張している歯科医師も多くいます。 |
日本歯科麻酔学会専門医とは、一般社団法人日本歯科麻酔学会が、歯科麻酔の知識や経験を持つものとして認めた歯科医師に交付する資格認定制度です。審査・試験を経て、合格した歯科医師に交付されます。この試験を受けるためには、規定カリキュラムに従い、200症例以上の全身麻酔の実績や、規定の講習会の参加、論文の提出などが必要となります。このことから資格を持つ者は、歯科麻酔の標準的な知識を持ち、適切な麻酔処置が行える歯科医師であることを見極める一つの指標となるでしょう。 |