この記事のポイント3つ
・笑気麻酔には鎮静・睡眠・鎮痛作用があり、リラックスして治療が受けられます。
・入院不要で、身体負担が少なく、安全に使える麻酔です。
・無痛になるわけではないため、高い鎮痛作用を求めている方には合いにくいです。

目次
虫歯を治したいけど、歯医者への不安感や恐怖心があり受診をためらっている方も多いです。「歯医者が苦手な人には笑気麻酔(しょうきますい)がおすすめ」という情報を見聞きしたことはありませんか。
歯医者さんの笑気麻酔はどんなものなのでしょうか。この記事では、笑気麻酔の具体的な効果を紹介します。デメリットや効きにくい人の特徴も解説しますのでご覧ください。
・笑気麻酔には鎮静・睡眠・鎮痛作用があり、リラックスして治療が受けられます。
・入院不要で、身体負担が少なく、安全に使える麻酔です。
・無痛になるわけではないため、高い鎮痛作用を求めている方には合いにくいです。
笑気麻酔により歯科治療の不安感や恐怖心を軽減できます。さらに、笑気ガスには鎮痛作用があり、治療の痛みを緩和する効果も期待できます。
「局所麻酔の注射が苦手」でも、笑気麻酔の吸入で注射の痛みを和らげられます。お酒に酔う感じになりますが、眠るわけではなく、治療中も歯科医師と会話が可能です。
歯医者での笑気麻酔のメリットを紹介します。
笑気麻酔には鎮静・睡眠作用があるため、「歯科治療がこわい」不安感や緊張感を軽減させられます。ほろ酔い気分・うっとりとした気分になる人がいれば、思わず笑ってしまうほどリラックスする人もいます。
全身麻酔と違って入院は必要ありません。笑気ガスの吸入を止めて肺に酸素が入れば、速やかに体内から排泄されていきます。治療後に待合室などで10〜15分程度休めば、十分帰宅できるでしょう。
笑気ガスは体内から速やかに消失し、呼吸器、循環器、肝臓、腎臓に悪影響を及びにくい特徴があります。
古くは1844年に抜歯で用いられた記録があり、笑気麻酔は180年以上にわたる歴史があります。これほど長い期間歯科治療に用いられている点が、安全性の高さを物語っています。
参考:福岡歯科大学医科歯科総合病院
特に、笑気麻酔の鎮痛効果を期待しすぎるとデメリットを感じやすいでしょう。デメリットを2つ解説します。
以下のような患者さんなどは笑気麻酔が効きにくいでしょう。
・鼻づまりがある方
・不安感や緊張感が強すぎる方
・笑気麻酔の効果を疑っている方
笑気麻酔が効きにくい場合には、全身麻酔・静脈内鎮静法といった方法もあります。
笑気麻酔のほかに、歯医者では全身麻酔や静脈内鎮静法といった麻酔もあります。これらの麻酔と笑気麻酔の違いを解説します。
笑気麻酔は安全性に優れた治療法ではありますが、以下の患者さんは適応できない場合があります。必ず治療開始前に歯科医師に情報をお伝えください。
・中耳炎にかかっている方
・眼科で手術を受けた方
・妊娠初期の方
・気胸がある方
・過呼吸発作になったことがある方
・鼻づまりがある方
笑気麻酔を用いた歯科治療の流れをご説明します。
①鼻から笑気ガスを吸入する
診察台に横になり、鼻に専用のマスクを装着します。笑気ガスの吸入を開始します。
②笑気ガスの濃度を上げる
酸素と笑気ガスの流量を調整し、笑気ガスの濃度を上げていきます。数分で効果が現れ始め、リラックス状態になります。
歯医者の笑気麻酔に関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1. 笑気麻酔を受けた後、運転や仕事はできる?
A.笑気麻酔は吸入をやめるとすぐに効果がなくなるため、一般的には治療後すぐに運転や仕事をしても問題ありません。ただし、体調や感じ方には個人差があるため、心配な場合は担当医に相談することをおすすめします。
参考元:日本歯科医師会
Q2. 笑気麻酔の治療費はどのくらいかかる?公的医療保険適用は?
A. 公的医療保険適用の可否は歯科医院によって異なります。一定の条件下で保険適用されることもありますので事前に確認が必要です。
参考元:厚生労働省
Q3.笑気麻酔の使用に年齢制限はある?
A. 一般的に小児から高齢者まで幅広く使われていますが、年齢や体調によっては適応外となる場合もあります。子どもには特に慎重な判断が必要です。
笑気麻酔には鎮静作用や鎮痛作用があるため、歯科治療への不安がある方に効果的です。。しかし、痛みが完全に無くなるわけではないため、全身麻酔のような効果を求める方には向いていないでしょう。また、鼻が詰まっていたり、不安感や緊張感が強すぎたりする場合も、笑気麻酔が効きにくくなります。
歯科治療の痛みを少なくする方法としては、全身麻酔や静脈内鎮静法もあるため、歯科医師と相談したうえで選ぶようにしましょう。
この記事で、歯医者の笑気麻酔に関するあなたの疑問や不安が少しでも解消されたら幸いです。
今回紹介した笑気麻酔や静脈内鎮静法の設備はどこの歯科医院にも置いているものではありません。置いてない歯科医院の方が多いので、設備の有無については事前に歯科医院に問い合わせをしたり、HPを確認するようにしましょう。
お酒を普段飲んでいる人よりも、お酒を普段飲んでいない人の方が効きやすく、強く酔っ払ったような気分になる人もいます。