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妊婦 虫歯 なりやすい

妊婦が虫歯になりやすい理由|妊娠中に治療を受けた場合の胎児への影響は?

監修者

古川 雄亮先生
古川 雄亮先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

妊娠期間中はさまざまな情報に接して、「妊婦は虫歯になりやすい」という記事や投稿を見かけたことがあるかもしれません。気になっても、妊婦が虫歯になりやすい理由がいまいちわからず、モヤモヤしている方も多いでしょう。

この記事では、なぜ妊婦は虫歯になりやすいのかを詳しく解説します。また、妊娠中に虫歯治療を受けた場合、胎児にどのような影響があるのかもお伝えします。ぜひご覧ください。

記事のポイント3つ

・妊娠と虫歯に直接的な関係はありません。
・唾液量の変化や口腔ケア不足によって虫歯になりやすい状態となります。
・妊娠中に虫歯になった場合、妊娠中期であれば治療可能といえます。

妊婦が虫歯になりやすい理由は3つ

前提として、妊娠したから急に虫歯になりやすくなるわけではありません。妊娠と虫歯は直接関係してなく、以下の3つの理由から虫歯になりやすくなると考えられます。

①女性ホルモンの影響による唾液の分泌量と状態の変化


妊娠すると女性ホルモンが増加し、唾液がネバネバします。唾液の分泌量も低下し、唾液の自浄作用による口腔内細菌の増殖抑制が低下し、虫歯になりやすくなります。

②つわりによる口腔ケア不足


つわりが始まると、歯磨きが困難になる方が多くいます。虫歯予防で大切なのは毎日の歯磨きで歯垢を丁寧に落とすことであり、歯磨きできないと虫歯のリスクが高まります。

③食生活が変化


つわりで1回の食事量が減り、間食など食事の回数が増えるケースも少なくありません。このような食生活を続けていると口腔内を清潔に保つことが難しくなるため、妊娠中は虫歯になりやすいです。

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妊婦が虫歯になったら治療を受けるタイミングはいつがいい?

妊娠期間中は時期によって実施可能な治療内容が異なります。治療前に妊婦であることを歯科医師に必ず伝えましょう。
参考:全国健康保険協会

妊娠初期


妊娠初期(0〜15週)は、胎児や母体への影響を考慮し、応急処置のみにとどめることが一般的です。虫歯の痛みがひどく、どうしても治療が必要という場合、かかりつけの産婦人科の先生と連携し治療することも多いです。

妊娠中期


安定期の妊娠中期(16〜27週)であれば、身体の状態を考慮し虫歯治療が受けられます。妊娠中の虫歯は妊娠中期に治療しましょう。大がかりな処置は基本的に行いません。

妊娠後期


妊娠後期(28週〜)は、長時間仰向けの姿勢をとっていると急激に血圧が低下するリスクがあるため、緊急の場合を除いて虫歯治療は行いません。応急処置程度であれば治療可能です。

妊娠中に虫歯治療を受けた場合の胎児への影響は?

妊娠中の虫歯治療で気になるのが、胎児への影響です。レントゲン撮影、麻酔、薬の服用がどのような影響を与えるのか詳しく解説します。

歯科治療でのレントゲン撮影は、腹部から離れた口周りの撮影のため、胎児に大きな影響はないと考えられています。妊娠に気づいていない時期に口周りのレントゲンを撮っても心配ありません。

妊娠中にレントゲン撮影する場合、妊婦であることを伝えましょう。
参考:日本歯科医師会

麻酔の使用もほぼ問題ない


虫歯治療では、リドカイン製剤が局所麻酔で主に用いられます。通常使用の場合、胎児への危険性がほとんどないことがわかっています。麻酔を使わないと、治療の痛みによって胎児にも母体にもストレスがかかるリスクがあります。
参考:日本小児歯科学会

基本的に薬の服用は避けた方が良い


妊娠中は薬の服用に慎重になるでしょう。特に妊娠初期は胎児の器官や臓器が形成される時期のため、薬の服用は避けルべきです。痛みがひどく薬を服用する必要がある場合、妊娠中でも安全に使用できる薬が処方されます。

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妊婦が虫歯を放置した場合の4つのリスク

妊娠中は虫歯治療が受けにくくても、虫歯の放置は好ましくありません。妊婦が虫歯を放置した場合の4つのリスクについて解説します。

①虫歯がひどくなる


妊娠中の女性ホルモンの変化・つわりなどで口腔内環境が乱れ、虫歯が悪化しやすい点に注意が必要です。虫歯が自然に治ることはなく、治療を先延ばしにしていると歯の神経に虫歯が達します。

治療を受けないまま出産後も歯科医院へ通院しないと、腫れや痛みが出て日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。

②栄養バランスが乱れる


虫歯が痛い場合、冷たいもの・甘いもの・硬いものなどを避け、食事量が減るケースも多いです。妊娠中は胎児の成長のため、バランスの良い食生活を常に心がけることが大切です。虫歯で栄養バランスが乱れる可能性があるため、お腹の子のために早く治療しましょう。

③早産や低体重児出産のリスクが高まる


虫歯の場合、磨き残し(歯垢)が原因と考えられ、同様に歯周病になるリスクもあります。進行した歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを2〜4倍ほど高めると報告されています。

参考:日本歯科医師会

④出産後に赤ちゃんに虫歯が移る確率が高まる


生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には、虫歯菌は存在しません。親に虫歯があると、キスや食器の共有を通じ、赤ちゃんに虫歯菌が感染することがあります。

妊婦の虫歯予防のポイント3つ

妊娠中は虫歯予防が非常に大切です。ケアが大変だと思いますが、以下3つのポイントを意識し虫歯予防に取り組みましょう。

①歯磨きやうがいをこまめに行う


間食で食事回数が増えても、歯磨きやうがいをこまめに行うと口腔内を清潔に保てます。つわりで歯磨きするのが困難な場合、ぶくぶくうがいをしましょう。歯磨きの代わりにはならないものの、洗口液も活用しましょう。

歯磨きができそうな時、子ども用歯ブラシなどヘッドの小さいものがおすすめです。また、歯磨き粉で気持ち悪くなることもあるため、においの強い製品は避けましょう。

②糖分を多く含む飲食物や酸性食品をだらだら食べない


糖分は虫歯菌のエサになり、酸が作り出されて虫歯が引き起こされます。また、酸性食品も虫歯リスクを高めるため注意が必要です。酸っぱいものを欲する場合、時間をしっかりと区切ってだらだら食べないようにしましょう。

③定期検診を受ける


虫歯予防のためには、日々のセルフケアと定期検診が重要です。定期検診で虫歯や歯周病が見つかった場合、早期治療が受けられます。可能なら妊娠安定期に定期検診を受けると良いでしょう。

まとめ

ただ妊娠するだけで虫歯になるわけではありません。妊娠中は女性ホルモンの影響により唾液の分泌量が変化し、つわりで口腔ケアも不足しがちになって、虫歯になりやすくなります。

虫歯治療が必要となった場合、レントゲン撮影や局所麻酔は胎児にほとんど影響ないといわれています。

虫歯の痛みを我慢することは妊婦とお腹の子双方にとって良くないため、気になる症状がある場合には早めに歯科医院で相談してみましょう。

この記事で、「妊婦はなぜ虫歯になりやすいの?」というあなたの疑問が解消されたら幸いです。

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