「最近口臭が気になるので、治療を検討している。ただ、口臭有無の確認方法や、口臭治療の方法がよくわからないので、治療の開始に二の足を踏んでいる。」そんな悩みをお持ちの方は多いです。
口臭の原因は様々で、症状の対処方法も異なります。今回、口臭を感じる4つの原因、口臭要因となりうる4種類のトラブル、口臭有無のセルフチェック法3つ、口臭の解消方法5つを解説します。
記事のポイント3つ
・口臭は主に「生理的口臭」、「外因的口臭」、「心理的口臭」、「病的口臭」の4つに分類され、原因や対処法は種類に応じて異なる
・口臭原因の多くはお口の中で、歯周病や虫歯、舌苔などが関係していることが多いと考えられている
・日頃の丁寧な歯磨き、ブラッシングの際にデンタルフロス・歯間ブラシを併用する、舌専用のブラシを使って舌苔を除去する、唾液の分泌量を増やす、歯科医院を受診することで、口臭を解消できる可能性がある
気になる口臭の原因とは?
口臭原因は患者さんで異なりです。この項目では、口臭の主な原因を4つに分類し、詳しく紹介します。
①生理的口臭
生理的口臭とは、寝起き、空腹時、緊張時などのタイミングで、唾液の分泌が生理的に減少し生じる口臭です。唾液は細菌繁殖を防いだり、お口の中の汚れを洗い落とします。そのため、唾液が減少するタイミングは、口臭が発生しやすいです。
生理的口臭の解消には、歯磨きや食事(水分摂取)で、唾液分泌を促すことが効果的です。また、生理的口臭は健康な人も起こるので、治療の必要はないでしょう。
②外因的口臭
外因的口臭は、食べ物、飲み物、嗜好品などの影響で発生する口臭です。具体的には、ネギ、ニンニク、ニラ、香辛料といった食べ物や、飲酒、喫煙といった生活習慣で起こる口臭です。
外因的口臭は一時的で、時間が経つと症状はおさまります。どうしても口臭が気になる・避けたい場合、臭いの強い飲食物を控える、禁煙するなどの必要があります。
③心理的口臭
心理的口臭になると、検査による客観的な判断で口臭が確認できない患者さん自身が口臭を訴えている状態となります。患者さんが何らかのストレスを抱え、精神的に不安定な状態である場合に発生しやすいです。
対処法は、歯科医などの専門家によって口臭がないことを検査してもらい、口臭がない事実を患者さん自身に理解してもらうことが効果的です。また、患者さんによっては、精神科等でカウンセリングを受けることによって症状が改善するケースもあります。
④病的口臭
病的口臭とは、お口の中や身体全体の病気が原因の口臭です。病的口臭の原因となる病気の大半はお口の中に起因するものですが、呼吸器、消化器、耳、喉、膵臓(糖尿病)、肝臓などでの全身疾患が原因のケースもあります。
病的口臭の改善は、原因疾患の治療が最も効果的です。お口の中の病気が原因の場合、歯科医院での診察・治療を受け、それ以外の病気は該当分野の医療機関の受診をおすすめします
口臭の気になる方が注意したい口腔内のトラブル
お口の中に歯周病や虫歯の特定トラブルが発生すると、口臭の可能性があります。口臭原因の具体的な例を4つ紹介します。
①歯周病
歯周病とは、歯の周囲の歯肉が炎症を起こし、歯肉や骨が破壊される病気です。歯周病原因細菌は、「メチルメルカプタン」と呼ばれる口臭原因の一つ、揮発性硫黄化合物を多く発生します。また、歯周病になると歯茎から血が出てきますが、膿が混ざっている場合は炎症が強く注意が必要です。
②虫歯
虫歯は、お口の中の細菌が歯を溶かし穴を空ける病気です。、虫歯の影響で空いた穴に食べ物が入り、穴の中で腐敗し強い臭いを出します。そして、虫歯が進行し、歯の神経が死んで、激しい臭いや痛みが出るかもしれません。
③舌苔(ぜったい)
舌苔は歯の表面に付着する白っぽい汚れで、正体は細菌の塊です。食事の際に食べ物をよく噛まない、舌の衛生状態が悪い、体調が悪い場合などに発生する可能性があります。食べかすや剥がれた粘膜含有のたんぱく質が分解され臭いを発生させるため、口臭要因の一つです。
④唾液の減少
唾液はお口の中の汚れを洗い流し、細菌の繁殖を防ぎ、粘膜を保護します。そのため、唾液が減少すると、お口の中に汚れが溜まりやすく、臭いを発生させる細菌が繁殖しやすくなります。
口臭が気になるときにセルフチェックする方法
口臭がどうしても気になる場合、患者さん自身で行うことができるセルフチェックを試してみるといいかもしれません。口臭のセルフチェックを行う際には、これから紹介する3種類の方法がお勧めです。
①唾液の匂いを嗅ぐ
唾液の臭いを嗅ぐと口臭有無を判断できる可能性があります。具体的な方法ですが、舌の上、あるいは歯と歯肉の溝を指で触り、指に付着した唾液の臭いを嗅ぎ、手首を舌で舐めた後に手首の臭いを嗅ぎます。ただし、口臭はないのに唾液自体は臭うケースが多いので注意です。
②ビニール袋やコップに吹き込んだ息の匂いを嗅ぐ
吐いた息の臭いを嗅ぐことも、口臭有無の判断に有効です。実際の手順として、ビニール袋やコップに息の臭いを吹き込んだ直後、本などを使って蓋をして、少し時間を置いてから蓋を外して臭いを嗅ぎます。寝起きや空腹などのタイミング次第では、普段口臭がない人も誰でも起こる生理的口臭を感じる可能性があることを頭に入れておく必要があります。
③口臭チェッカーを使う
市販の口臭チェッカーを使用し、自分の感覚のみに頼ることなく、口臭有無を客観的に判断できるかもしれません。口臭チェッカーの中にはコンパクトなサイズで持ち運びが可能で、安価なものは2000〜3000円台で購入可能です。ただし、チェック精度の悪い物(正確な数字が表示されないこと)もあります。
気になる口臭をなくす方法とは?
たとえ口臭が発生しても、適切なアプローチで口臭の解消ができるかもしれません。この項目では、口臭をなくす効果的な方法5つを解説します。
①歯磨きで汚れを丁寧に落とす
お口の中に残る食べかすや歯垢は、口臭の大きな要因です。丁寧なブラッシングにより汚れを落とし、口臭の発生を未然に防ぐことが可能になります。
歯磨きの際、過度に強い力をかけることなく、優しく磨くことが大切です。また、自分に合った歯ブラシを選ぶ、殺菌剤などを含んだ歯磨き粉を使用するなど、口臭対策に有効な道具を使用することも効果的です。
②舌ブラシで舌苔(ぜったい)を取り除く
舌苔は口臭の大きな要因となるため、舌苔を取り除くことは口臭予防で非常に大事です。舌苔の除去では、市販の舌ブラシを使用し、1日1回程度のペースで良いので舌の上を軽くブラッシングするとよいでしょう。
舌苔を落とす時に気をつける点は、舌を強い力でブラッシングせず、丁寧に優しく汚れを落としていくことを心掛ける必要があります。また、舌苔は就寝中にも発生するため、起床後のタイミングでブラッシングを行っても良いでしょう。
③デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
通常の歯ブラシだけでは、歯と歯の間の隙間にある汚れを落とすことは難しくなります。デンタルフロスや歯間ブラシといった器具を使用し細かい汚れを除去することが、お口の中の衛生状態を保つうえで重要です。
通常の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを歯と歯の間に入れて汚れを落とすことによって、お口の中の汚れの大部分を落とせます。歯間の汚れを放置すると口臭の可能性が高まってしまうため、お口の中の衛生状態を歯磨きでしっかりと改善しましょう。
④唾液の分泌を増やす
唾液の減少は口臭原因に直結するため、唾液の分泌を増やすことが口臭予防に効果があります。唾液の分泌を促すために、ものをよく噛んで食べ、水分を定期的に摂取し、口呼吸ではなく鼻呼吸をするなどが効果的です。
また、喫煙で唾液の分泌量が減るため、喫煙習慣がある人は禁煙や減煙によって唾液の量が増えるでしょう。そのほか、耳の前や顎の下に位置する唾液腺マッサージによって、唾液の分泌を促す方法もあります。
⑤歯科医院を受診する
口臭原因の大部分はお口の中のため、歯科医院に足を運んで専門医の診察を受け、口臭原因を対処してもらうのが非常に有効です。セルフケアだけで口臭の解消が難しい場合、早めに歯科医院の受診を検討したほうがいいかもしれません。
歯科医院の受診によって、歯周病や虫歯の治療を受けられ、通常のブラッシングで取れない歯石を除去してもらえ、「PMTC」という専門的なクリーニングを受けることもできます。さらに、患者さん一人ひとりに適したブラッシングの方法を指導してもらえます。
まとめ
口臭は主に「生理的口臭」、「外因的口臭」、「心理的口臭」、「病的口臭」の4つに分類され、原因はそれぞれ異なります。口臭原因の多くはお口の中にあり、歯周病、虫歯、舌苔などが関係しています。
患者さんだけでは口臭に気付けないケースも多いため、舌ブラシの使用やデンタルフロス・歯間ブラシの併用によって、口臭の発生を未然に防ぐよう努めることが望ましいです。
また、歯科医院を受診することで、口臭原因を特定しやすい、適切な治療が受けられるので、口臭の気になる方は早めに歯科医院に足を運ぶことをおすすめします。