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歯磨き粉 アレルギー

歯磨き粉によるアレルギーの可能性|原因となる成分や症状、予防法まで

監修者

古川 雄亮先生
古川 雄亮先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

「歯磨き粉が原因でアレルギー症状が出る」という情報を見聞きし、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。子どもやご自身にアレルギーが出ないように、事前にしっかり対策しておきたいですよね。

この記事では、歯磨き粉によるアレルギー、原因となる成分やアレルギーの症状、予防法を紹介します。

この記事のポイント3つ

・歯磨き粉の使用後にアレルギー症状が出た事例がある。
・主なアレルギー症状は、口唇炎、口内炎、口角炎など。
・アレルギーを予防するには、歯磨き粉の成分を確認して避けることが大切。

歯磨き粉でアレルギー症状が出る可能性はある

歯磨き粉にはさまざまな薬用成分や添加物が含まれているため、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。

2022年12月から2023年5月、ライオン歯科材株式会社の子ども用歯磨き粉「チェック・アップコドモA」の使用後にアナフィラキシーの発症があったという報告があります。

4〜9歳の男女のアナフィラキシー発症報告が3ケースで、いずれの子も食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息などの既往があったとのことです。一過性の症状であり、子どもたちは回復しています。

同歯磨き粉は過去10年間にアナフィラキシーの報告はありませんでした。当時、歯磨き粉とアレルギー症状の因果関係は明らかにならなかったものの、厚生労働省が注意喚起する事態となりました。

参考:ライオン歯科材株式会社

アレルギー症状の原因となる恐れのある成分

歯磨き粉に含まれる以下の添加物や薬用成分が原因で、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。

香味料


多くの歯磨き粉には、味を整えるために香味料が用いられています。代表的な香味料はミント、メントール、ラベンダー、シナモン、カルボン、ユーカリなどで、香味料が加わることで歯磨き後の爽快感が得られるのです。

一方、アレルギー体質の方や小さい子どもは香味料によるアレルギー反応が起こるケースがあるため注意が必要です。特にカルボンはアレルギーが出やすいというデータもあります。

プロピレングリコール


歯磨き粉の湿気を保つための添加物です。化粧品やシャンプーなどにも用いられている保湿剤で、一般的には安全性が高いとされていますが、人によってはアレルギー症状が出る可能性があります。

コカミドプロピルベタイン


歯磨き粉を乳化させるための成分です。低刺激で皮膚へのアレルギー性はほとんどないというデータがあります。ただし、人によっては唇にアレルギー症状が出ることも考えられます。

ラウリル硫酸ナトリウム


歯磨き粉を泡立たせる発泡剤の成分です。皮膚への刺激性があり、口内炎に触れると痛みを感じることもありますが、アレルギー性はほとんどないと考えられています。

リカルデント


歯を酸から守り、再石灰化を促してくれます。牛乳のタンパク質から抽出された成分であるため、牛乳アレルギーの方は注意しましょう。

歯磨き粉 アレルギー

歯磨き粉で発症する恐れのあるアレルギー症状

歯磨き粉の主なアレルギー症状を解説します。

口唇炎


唇の腫れ、かゆみ、痛み、乾燥、亀裂などが起こるのが口唇炎です。歯磨き粉に含まれるプロピレングリコールやラウリル硫酸ナトリウムなどの成分が原因となる恐れがあります。

口内炎


お口の中の粘膜に潰瘍や水疱があらわれるのが口内炎です。痛みをともない、食事や会話がしづらくなるデメリットもあります。基本的には2週間以内に自然と治ります。

歯磨き粉に含まれるラウリル硫酸ナトリウムが口の中の乾燥を招き、口内炎ができてしまうことがあります。そのほか、疲労、ストレス、寝不足、栄養不足、外傷などによっても口内炎は引き起こされます。

口角炎


口角(唇の両端)が切れたり赤く腫れたりするのが口角炎です。香味料やラウリル硫酸ナトリウムなどの歯磨き粉の成分が接触することで、口角炎が引き起こされるケースがあります。

歯磨き粉によるアレルギーへの対策・予防法

アレルギー反応で特に気をつけたいのが、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーは、短時間で全身性のアレルギー症状が出る特徴があり、じんましんや唇の腫れなどのほか、意識を失ったり呼吸困難になったりする恐れもあります。

このようなアレルギー対策の基本は、本人に影響を与える原因物質を特定し、食べたり接触しないようにして避けることです。歯磨き粉の成分によるアレルギーが心配な場合、上記で紹介した特定成分を含まない商品を使いましょう。

まとめ

歯磨き粉が原因でアレルギー症状が出る可能性があります。歯磨き粉に含まれる香味料、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの成分が口唇炎、口内炎、口角炎を引き起こす恐れがあるのです。

アレルギーの予防には、原因となりえる物質を含まない歯磨き粉を選びましょう。ご自身や子どもにとって適切な歯磨き粉を知りたい場合には、歯科医師に相談するのがおすすめです。

この記事で、歯磨き粉によるアレルギーに関するあなたの疑問や不安が、少しでも解消されたら幸いです。

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