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口臭 原因

歯磨きしているのに口臭がストレス!口臭の原因と対策方法は?

口臭の原因を知っていますか?口臭の原因は歯磨きの不足だけではなく、気づかないうちの歯周病の進行や、ストレスなど心理的な要因が関係していることもあります。また、重大な内臓関連の疾患が関与する場合もあります。この記事では、口臭の主な原因と簡単にできる対策方法を紹介します。

この記事の要約

・口臭の主な原因は歯周病や虫歯、舌の汚れ(舌苔)など、口腔内細菌によるものです。
・ストレスなど心理的な要因も口臭に影響を与えます。
・口臭が気になる場合、歯医者さんで専門的な口臭対策を始めることも効果的です。

口臭がひどい原因の対策方法とは?

毎日しっかり歯磨きしているのに、自身の口臭が気になったり、周りから指摘された経験はありませんか?

口臭で不安やストレスを抱くだけではなく、他人に不快な印象を与える可能性もあるでしょう。

口臭の約80%はお口の中に原因があると言われています。口臭の原因を見極めて、解決できれば、口臭はほとんど解決できる可能性が高いです。口臭の種類をチェックしてみましょう。

生理的口臭


生理的口臭とは、起床時や空腹時、緊張した時など誰にでも起こりうる口臭です。

唾液には口内の清潔を保つ役割があり、通常は口臭を抑えてくれます。しかし、朝起きたばかりや空腹時、緊張していると唾液の分泌が減少します。口腔内細菌が増えやすく、結果、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が増えます。これが「生理的口臭」の主な原因です。

生理的口臭は、歯磨きをしっかりするほか、お水を飲むこと・食事の際によく噛んで唾液を多く分泌させるなどでセルフコントロールができます。

歯周病や虫歯などの口腔内の病気による口臭


口腔内の病気のなかでも歯周病は口臭の原因となることが多いです。歯周病の大半は、気づかないうちに進行し、ひどくなります。進行するにつれて、口臭も強くなっていきます。

歯周病の特徴は、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」という隙間ができることです。隙間には汚れ(歯垢・プラーク)が溜まりやすく、お口の中の細菌が住みついて増えていきます。空気が無いことで元気に活動する細菌が多く生息し、その細菌たちが「硫化水素」や「メチルメルカプタン」と呼ばれる物質を作ります。これらが口臭の原因になります。

そのほか、歯の表面にこびりつく歯垢や舌の上に付着する舌苔(ぜったい)、虫歯、清掃不良な入れ歯、薬による唾液の減少なども口臭の原因を作ります。

→写真で見る歯周病の進行度ごとの症状はインプラントネットの「歯を失う大きな要因、歯周病」をご覧ください。

歯周病の予防方法


歯周病を防ぐためには、歯垢がたまらないように除去することが大切です。そのために、毎日の歯みがきや、定期的な歯石取りが効果的です。歯周病になった場合、歯科医師や歯科衛生士が専門的に歯をきれいにしたり、噛み合わせを調整したりします。重症の場合、歯ぐきの手術が必要になることもあります。

歯周病になると、基本的に完治が難しいので日々の予防を意識するようにしましょう。

コーヒーやタバコなどの嗜好品による口臭


コーヒーやタバコ、にんにく料理やアルコールなど、摂取した成分が一時的な口臭原因になることがあります。喫煙後やにんにく料理を食べた後の臭いは自身も気になるだけではなく、周りの人からも臭いを感じられることは多いでしょう。

対策としては喫煙や食後の歯磨きや舌みがきを徹底する、歯ブラシを持ち歩いていなければうがいをする、口臭ケアのタブレットやガムを持ち歩く、仕事前などは食べるのを控えるなどが挙げられます。

病的口臭


病的口臭とは、疾患が原因の口臭です。呼吸器系や消化器系の内臓由来の疾患が口臭の原因となることがあります。

病気が原因の口臭は、病気を治す(コントロールする)ことで改善されることが多いです。そのため、早めに病気を見つけて治療することが大切です。口臭が長く続いたり、他の体調不良がある場合、専門のお医者さんに相談することが推奨されます。

心理的な口臭


心理的な口臭は、実際に口臭がなくても「自分には口臭がある」と感じてしまうことです。医学的には「口臭恐怖症」と呼ばれることもあります。

ストレスや不安が原因なことがあります。自分の口臭が気になりすぎて、実際には臭いがないのに、あたかも臭いがあるように思い込んでしまいます。

カウンセリングや心理的なサポートが必要になることもあります。

口臭 原因

口臭検査で臭いをチェック!口臭には種類がある!

口臭は「におい」として鼻で感じても、データで見ることは普段できません。自分の息が臭うかが気になる場合、利用したいのが「口臭検査(口臭測定器)」です。

口臭検査では「においの原因」を特定し、数値化できます。においの「あり」「なし」を客観視でき、口臭の原因や強さが数値化されるので、口臭レベルが一目瞭然です。

口臭検査で検出される「不快なにおい」の代表格をタイプ別に紹介します。

硫化水素


硫化水素は歯の表面や舌に歯垢が溜まっているほど検出されやすい物質です。においを例えるなら「卵が腐ったようなにおい」であるともいわれています。最近、歯みがきが雑になっているなと感じている方は要注意です。

メチルメルカプタン


メチルメルカプタンは歯周病の方に目立つ特有のにおいです。例えるなら「魚や玉ねぎが腐ったようなにおい」であるといわれています。

ジメチルサルファイド


ジメチルサルファイドは身体の不調や服用薬の影響で出やすい傾向があります。「キャベツの腐ったにおい」や「生ごみ臭」であるともいわれています。

口臭が気になったら、今すぐ歯医者さんへ!

「しばらく歯医者さんに行っていない」「お口の中がネバネバする」「最近歯石をとっていない」という方のお口のにおい、歯周病が原因かもしれません。

セルフケアには限界があり、歯周ポケットの中の細菌を取り除きたくても歯ブラシの毛先は歯周ポケット内の1~2㎜程度にしか届きません。ですから、歯周ポケットが深くなっていると細菌の住みやすい環境へと変化し、ポケット内にどんどん細菌が繁殖します。

どんなに歯を磨いても口臭がするのは、においの発信源である細菌を取り除けていない可能性が高いです。

舌の上にも細菌やカビが溜まりやすく「舌苔(ぜったい)」とよばれる「舌に付着する細菌の固まり」が原因のことも多いです。

お口のプロである歯医者さんでは口臭治療も可能です。口臭の原因となっているのが歯垢であれば、舌や歯、歯周ポケット内の細菌をきれいにすれば「においのもと」を解決できるでしょう。

そのほか、効率的な歯みがき方法や舌苔を取り除く舌ブラシの使い方なども歯医者さんや歯科衛生士さんが教えてくれます。

まとめ

口臭の主な原因は口の中の細菌で、特に歯周病や虫歯、舌の汚れ(舌苔)が関わっています。朝や空腹時、緊張時などに起こる「生理的口臭」は、歯磨きや水分補給で防げます。また、コーヒーやタバコ、にんにく料理も一時的な口臭を引き起こします。病気や心理的な要因も口臭の原因になることがあるので、気になる場合は歯医者に相談するのが効果的です。

ガムやタブレットのミントの香りだけに頼らずに、歯医者さんで本気の口臭対策を始めてみてはいかがでしょうか。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

歯科医師 古川雄亮先生
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