歯の痛みを感じて歯医者に行こうとしても、予約がいっぱいですぐに受診できないケースが多々ありますよね。予約が何日も先になってしまい、「予約日を迎える前に我慢できないほど歯が痛むようになった」なんてことも珍しくありません。
この記事では、歯医者の予約日まで痛みを我慢できないときの対処法を4つ紹介します。また、やってはいけないこともお伝えしますので、歯の痛みにお困りの方はぜひご参考になさってください。
この記事のポイント3つ
・痛みを我慢できないときの主な対処法は、痛み止めの服用のほか、痛い部分を冷やす、歯に詰まっているものを取り除く、冷たいものや熱いものを避けるなどです。
・応急処置後も強い痛みが続く場合は、救急外来などの受診もおすすめします。
・痛い部分を直接さわる行為や、入浴・運動・飲酒・喫煙などは痛みを悪化させる恐れがあります。
歯医者の予約日まで痛みを我慢できないときの4つの対処法
早速、歯が痛むときの対処法を紹介します。
痛み止めを服用する
歯の痛みは、鎮痛剤などの痛み止めを服用することで一時的に緩和させられます。ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの成分が痛みを抑える働きをします。
市販されている一般的な痛み止めは、以下のとおりです。15歳未満の方は服用不可で、妊娠中・授乳中の方は薬剤師にご相談ください。
・ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)
・イブA錠(エスエス製薬)
・バファリンA(ライオン)
・タイレノールA(アリナミン製薬) など
また、歯茎の腫れや痛みなどがある場合には、以下のような塗り薬もおすすめです。こちらも使用可能な年齢や、妊娠中・授乳中の使用可否などの注意書きを守ってください。
・デンタルクリーム(森下仁丹)
・新今治水(丹平製薬)
・デントヘルスR(ライオン) など
参考:日本歯科医師会
痛い部分を冷やす
血流が増して歯の神経を圧迫することで、歯の痛みが起こる場合があります。濡らしたタオル、タオルに包んだ保冷剤、冷却ジェルシートなどで痛い部分を外側から冷やすと、血液の流れが落ち着いて痛みが軽減します。冷水や氷をお口に入れて患部を直接冷やすと、強い刺激によって痛みが増す可能性があるためご注意ください。長時間冷やすのも避けましょう。
歯に詰まっているものを取り除く
食後の痛みを感じる場合、歯と歯の間の食べ物の詰まりが原因かもしれません。食べ物が歯間部に強く押し込まれている状態を「食片圧入(しょくへんあつにゅう)」といい、歯が圧迫され、汚れの蓄積による炎症で痛みが出ます。
歯に詰まっているものを取り除けば、痛みが和らぐことが多いでしょう。
冷たいものや熱いものを避ける
歯の内部にある歯の神経(歯髄)は、熱い・冷たい・痛いを感じる神経です。虫歯が進行して歯髄にまで達すると歯髄炎を引き起こし、冷たいものや熱いもので強く痛むことがありみます。歯が痛むときには、飲食物の温度にも注意しましょう。
応急処置後も痛みを我慢できないときは救急外来などを受診する
紹介した応急処置を行ってもひどい痛みが続く場合や、呼吸しづらいなど、体調の変化が現れた場合、我慢や自己判断せずに救急外来などを受診することを検討しましょう。
具体的には、歯科(口腔外科)を標榜し、救急外来を受け付けている大学病院や総合病院、または夜間診療・休日診療を行っている歯科医院などを探しましょう。多くの地域で、休日でも歯科医院が当番制で診療を行っています。日中であれば、予約している歯医者へ連絡してみるのも一つの手です。
歯医者の予約日まで痛みを我慢できない場合にやってはいけないこと
痛みを我慢できない場合、以下のような行動で症状が悪化する可能性があるため、注意しましょう。
痛い部分(患部)を直接さわる
痛みが気になって患部を指や舌でさわってしまうと、刺激が加わりバイ菌が入って痛みが増す可能性があります。触らないようにしましょう。また、歯ブラシで患部付近を強く磨かないよう気をつけましょう。うがい薬があれば活用し、できる限り口腔内を清潔に保ちましょう。
入浴・運動・飲酒
血流が良くなると、歯の神経が圧迫されて痛みが増すと考えられます。歯が痛む場合、入浴・運動・飲酒・マッサージなどは控えたほうが良いです。
タバコを吸う
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させてしまい、歯周組織に酸素や栄養が十分に運ばれなくなって歯周病の進行を早めます。歯周病は症状が出にくい病気ですが、歯茎や歯を支える骨が下がり、歯根が露出して歯や歯茎の痛みが出る可能性があります。
歯が痛む原因とは?
歯が痛む主な原因を詳しく解説します。
虫歯
歯が痛む原因で特に多いのが虫歯です。虫歯菌は、歯に付着した歯垢(プラーク)の中に生息し酸を作り、歯の表面のエナメル質を溶かし始めます。
エナメル質に穴があき、歯の内部の象牙質、さらには血管や神経が集まる歯髄へと虫歯が進行します。歯髄まで虫歯が達すると、何もしなくても強い痛みを感じるようになります。
歯周病
歯周病は、歯と歯茎の境目に歯垢が溜まり、歯茎に炎症が生じることから始まります。初期症状は歯茎の赤みや腫れ、出血です。
多くの場合で痛みを感じることがなく、知らぬ間に歯周病がどんどん進行します。急性化すると、噛んだ時などに痛みを感じるケースもあります。
親知らず
親知らずが生えてくるとき、歯冠が表面に出てくるまでに歯と歯茎の間に隙間が出来やすいです。その部分に汚れが溜まり炎症を起こし、痛みを感じることがあります。
また、親知らずが真っ直ぐに生えてこない場合、隣の歯を圧迫しします。親知らずは磨きにくく他の歯に比べて歯周病や虫歯になりやすいため、痛みが出やすい歯なので注意しましょう。
知覚過敏
知覚過敏は、歯の表面を覆っているエナメル質が摩耗・破折し、内部の象牙質が露出するなどで起こります。知覚過敏の原因は、過度なブラッシング、歯ぎしり・食いしばり、虫歯などです。象牙質への刺激により、歯がしみる(痛む)症状が出ます。
また、歯茎で覆われている歯根にはエナメル質がありません(厚みが薄いセメント質があります)。歯周病や加齢などによって歯茎が下がると歯根が露出し、知覚過敏が起きやすいです。
まとめ
歯医者の予約日まで歯の痛みを我慢できないときの対処法は、痛み止めの服用、痛い部分を冷やす、歯に詰まっているものを取り除くなどです。痛い部分を直接さわる、入浴・運動・飲酒をする、タバコを吸うといった行為は、痛みを増幅させてしまうので控えましょう。お口の中をできる限り清潔に保つことも重要です。
応急処置で痛みが緩和されても、必ず歯科医院を受診し痛みの原因を突き止め、根本的な解決を図りましょう。この記事で、歯医者の予約日まで痛みを我慢できないというお悩みが少しでも解消されれば幸いです。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開