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神経ギリギリ

神経ギリギリまで治療した後に痛いのはいつまで続く?様子見をする理由も

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虫歯が進むと、神経の近くまで虫歯になるので、歯の神経も取るなどして歯を大きく削る必要があるかもしれません。歯の神経を取らずに済んだものの、治療後も歯の痛みが続くケースがあります。治療後の痛みはいつまで続くのか、原因は何かを解説します。

この記事の要約

・神経に近い虫歯治療の痛みは、2~3日以上続くことがある
・痛みの様子を見るのは、歯の神経をできるだけ温存するかの判断をするためです

歯の神経ギリギリまで虫歯治療した後に続く痛みはいつまで続く?

歯の神経近くまで進行した虫歯の治療時、神経を取らずに様子を見る場合があります。神経近くに虫歯があったとしても、持続的な痛みや噛んだときの痛みがなければ、痛みが減少する可能性があります。

詰め物や被せ物をしたあとに痛みが出たり、しみたりすることがあります。多くの場合、時間とともに痛みがなくなっていきますが、痛みが軽減されるまでに2〜3日かかります。※半年ほど痛みが続くケースもありますが、神経痛などの可能性があります。痛みが気になるなら、鎮痛薬の服用は可能です。

痛いのに様子見をする理由


進行した虫歯であっても、神経を取らずに様子を見るケースがあります。虫歯でしみるのを防ぐ方法として、神経を取る方法が確実ですが、神経には組織に栄養を送る働きがあり、神経を一度取ると、もとに戻せません。栄養が送られなくなると、歯は脆くなります。歯の神経を温存できるか確認するため、痛みがあっても、症状に応じて様子を見ることがあります。

神経ギリギリまで治療した後に痛い原因とは?

神経近くの虫歯治療の後に痛みを感じる場合がありますが、治療後の痛みの原因を解説します。

神経が痛みを感じやすくなっている


虫歯部分を削る処置により、歯の神経が敏感になり痛みを感じやすくなります。また、削られたことにより、歯への外部刺激がより伝わりやすくなります。

金属の詰め物や被せ物をしている


虫歯の治療をしたところを補うため、詰め物や被せ物をします。金属の素材は熱伝導率が高いです。

そのため、治療後に金属を入れると、冷たいものや熱いものの刺激でしみやすくなるかも知れません。しかし、「第二象牙質(だいにぞうげしつ)」とよばれる新しい象牙質が形成され、外部刺激が歯の神経に伝わりにくくなり、しみる感覚が緩和されます。

神経が炎症を起こしている


歯の内部には、神経や血管が集まる歯髄という組織があります。そこに細菌が入り込み炎症を起こすと「歯髄炎(しずいえん)」とよばれる状態になり、激しい痛みをともなうことがあります。神経ギリギリの虫歯を削っても、削ったことによる刺激への反応で治療後に痛みが出るおそれがあります。

神経が壊死(壊疽)している


歯髄炎による痛みを我慢すると、一時的に痛みを感じなくなることがあります。これは、炎症が進行し歯髄が壊死(壊疽)したことが考えられます。

歯髄の中に虫歯菌が残っていることが実は多く、歯の根を通り顎骨に侵入することもあります。顎骨に炎症を起こすと、とても強い痛みが起こり、顔が大きく腫れて入院する場合があります。発熱なども見られるため、痛みがなくなったからといって放置するのは危険です。

詰め物や被せ物の高さが合っていない


虫歯治療後の詰め物や被せ物の高さが合っていないと、噛み合わせが悪くなり、痛みを感じることがあります。

歯以外に原因があって痛い場合もある

歯の痛みだと思ったら、実は筋肉や神経の痛みというケースもあります。

咀嚼筋(そしゃくきん)の痛み


頭や首に起きる痛みを歯の痛みとして認識することがあります。とくに、噛むときに使う筋肉である咀嚼筋の痛みは、歯の痛みと混同する場合があります。咀嚼筋のなかでも、下顎のエラから頬骨にかけて位置している咬筋(こうきん)は、下の奥歯の痛みと感じられる場合があります。また、こめかみから側頭部にかけて位置する筋肉の側頭筋の痛みも、上の奥歯の痛みと感じられるケースがあります。

三叉神経痛


主に上下の顎の神経を司る三叉神経の神経痛です。歯に触れると、痛みが歯に広がる症状が現れる場合があります。突発的で鋭い痛みが特徴です。上下の犬歯や下顎の奥歯近くで痛みを感じるケースが多く、「歯が痛い、しみる」と感じることがあります。

帯状疱疹


歯や口の周りの神経に潜伏しているウイルスが原因で、歯髄炎に似た症状が出る場合があります。急性期は痛みが1日中続き、夜も眠れないほどになるケースがあります。

片頭痛や群発頭痛


頭痛の関連痛に歯痛があります。ずきずきとした痛みは歯髄炎の痛みと似ています。上顎の犬歯や奥歯などに症状が起きることが多いです。

心因性によるもの


うつ病などの心因性の疾患によって歯痛が起こる場合があります。こうした原因は精神科での対応が必要となります。

神経ギリギリ

まとめ

歯の神経に近いところの虫歯治療後の痛みは、徐々に引いていくことが多いです。痛みが消えるまでには2〜3日、長いと半年近くかかることもあります(神経痛の可能性が高いです)。歯を削られて神経が痛みを感じやすくなっていたり、詰め物や被せ物の高さが合っていないなどが原因とされています。神経痛など歯以外が原因となる場合もあるので、痛みが長く続くなら、歯科医院を受診しましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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