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歯の根の治療

歯の根の治療(根管治療)が痛い原因|痛みはいつまで続く?

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「歯の痛みが激しく、歯医者さんで歯の根の治療(根管治療)を受けることに。歯の根を治療するのは痛いと聞いたことがあるので、不安。歯の根の治療が痛い理由って?」そんな疑問をお持ちの方はいませんか。

歯の根の治療では、さまざまな理由で痛みが生じる可能性があります。今回、痛みが生じる7つの理由、痛みが持続する期間・対処法、歯の根の治療の具体的な流れを詳しく解説します。

この記事の要約

・根管治療は抜歯することなく治療できるが、治療期間がやや長く、治療回数も多くなる傾向にある
・治療前の痛みは虫歯に起因するケースが多く、治療中の痛みは薬剤による可能性が高く、治療後は歯根の先に溜まる膿や残存する神経が原因となることも
・治療後の痛みが持続する期間は基本的に数日程度で、一般的に痛み止めなどの薬を飲むことが多い

歯の根の治療(根管治療)とは?

歯の根の治療は「根管治療」と呼ばれ、根管内にある神経を取り除いてから根管を薬で塞ぐ治療法です。虫歯が進行し、神経や歯根の先の部分に到達している状況で抜歯せずに治療して歯を残すのが大きな特徴であり、歯を残したい人にとっては非常に有効な選択肢となります。

ただし、根管の形状は前歯と奥歯で異なるだけでなく、大きく湾曲していることもあります。虫歯を残してしまうと症状が再発する可能性が高いです(*100%虫歯を除去するのは難しいです)。上手な治療には豊富な経験と技術が求められます。治療期間が長く、治療回数も多くなる傾向に注意が必要です。

歯の根の治療(根管治療)が痛い原因

根管治療で痛みを感じる原因は、痛みが生じたタイミングで異なります。「治療前」「治療中」「治療後」という3つの状況で痛みが生じる原因を紹介します。

治療前


虫歯が歯の神経のすぐ近くまで進行すると、炎症によって歯の神経が痛みを感じます。初期段階では甘いもの・冷たいものを摂取した際に痛みを感じることが多いですが、症状進行に伴って、熱いものの摂取や咀嚼時にも痛みが生じます。加えて、歯の根本部分の歯茎に腫れが出たら注意が必要です。

虫歯の放置により症状が進行し、最終的に歯の神経が死にます。いったん痛みはなくなりますが、決して病気が治ったわけではありません。根管の先まで虫歯菌が最終的に到達して歯根の先に膿が発生すると、激しい痛みが発生するため、一刻も早く歯科治療を受けることが望ましいです。

治療中


根管治療の際には、根管内の汚れや細菌を除去するために歯の神経を取り除き、菌が増える事態を防ぐため薬剤を詰めます。

薬剤を詰めている最中に薬剤による刺激で治療中に痛みが発生することがあります。

治療後


治療前・中だけでなく、治療後に根管治療に起因する痛みが発生するケースもあります。具体的な理由を4つ紹介します。

膿が溜まっているから
根管治療で除去しきれない箇所に細菌感染が発生しており、歯根の先に膿が溜まっているケースだと治りが悪いです。

溜まった膿により強い痛みを引き起こすため、歯茎を切開して膿を出し、抗菌薬を服用し、腫れや痛みを抑えることが多いです。

取り切れていない神経があるから
根管は複雑な構造をし、治療の難易度が高いです。歯の神経の一部が取り残されてしまうことも多いです。残存した神経は治療後に痛みや出血を引き起こすため、歯科医院に再度足を運んで治療を受け、痛みの原因となっている残存神経を除去する必要があります。

治療器具で組織が破壊されたから
根管治療の際に誤って治療器具が根っこから突き出した場合、歯周組織の細菌感染・破壊が生じます。歯周組織に炎症反応が起こる原因になるため、治療後に痛みが発生する原因となります。

薬剤が漏れ出たから
根管治療に用いる薬剤が歯の根から漏れ出すと、付近の歯周組織に悪影響が及ぶ可能性があります。根管消毒剤の中には組織障害作用を持つものも多く、歯周組織に痛みなどの症状が発生する原因となります。症状が発生したら、できる限り早く歯科医院で対処を受けましょう。

歯の根の治療後に痛いのはいつまで続く?

根管治療後に生じる痛みが持続する期間や痛みの度合いは、感染や炎症の進行の具合によって異なってきます。根管内の細菌減少に成功すれば、一般的に3日ほどで痛みは治ります。

数日経過した後に痛みが治まらなかったり、痛みが強い場合、速やかに歯科医院で診察を受けましょう。

歯の根の治療

歯の根の治療後に痛い場合の対処法

根管治療後の痛みや腫れが強い場合、痛み止め、抗生剤による症状の改善が一般的です。治療後に痛みが出てきたタイミングで痛み止めを飲み、症状が治まるのを待ちます。

根管治療後、血流が良くなると痛みが増す点に注意が必要です。治療後の痛みが落ち着くまで、激しい運動、入浴、飲酒といった行為を避け、痛みの悪化を予防することを意識しましょう。

歯の根の治療の流れ

根管治療の際、4つの手順で実施します。具体的な根管治療の流れと目的を解説します。

①神経除去・清掃・消毒


まず、根管治療の専用の器具を使って、虫歯に感染した神経を取り除き、消毒します。何度か繰り返し根管内の細菌を減らします。

②薬剤充填


根管内の細菌を徹底的に取り除いた後、状態を維持するために、薬剤を根管の中に隙間が生じないように詰めます。薬剤で封鎖することで、外からの細菌の侵入を防ぎ、症状が再発を遅らせるのが目的です。

③被せ物の取り付け


薬剤充填が終了後、土台を装着し、被せ物を取り付けます。

④メンテナンス


根管治療後、経過観察とメンテナンスのために、定期的に歯科医院に行きましょう。被せ物の状態をチェックしてもらえつつ、虫歯の早期発見・治療も可能です。

まとめ

歯の根の治療が痛いと感じる原因は、治療前・中・後で異なります。治療前であれば虫歯による症状で、治療中の痛みは薬剤によるものが多いです。治療後の痛みに関しては、歯根の先に溜まっている膿、取りきれなかった神経、薬剤の刺激などが要因となっていることが考えられます。

基本的に、根管治療後に痛みが持続する期間は数日程度です。痛みの期間が長い、度合いが強い、根管治療に伴う痛みに関する不安や疑問点がある場合、遠慮せずに歯科医院に相談しましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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