子供が虫歯になった場合、早く歯医者に連れて行ってあげたいですよね。かかりつけの歯医者がない場合、安心して治療を任せられる小児歯科をまずは探すことから始めなければなりません。
小児歯科を選ぶ際には、何を基準にすれば良いのでしょうか。本記事では、おすすめの歯医者を見つけるための7つのポイントを解説します。小児歯科の選び方で困っている方は、ぜひご覧ください。
この記事の要約
・小児歯科に精通した歯科医師がいるかをチェックしましょう。
・子供が安心して通える雰囲気か、子供目線に立って対応してくれるかなどもポイントです。
・子供の歯は虫歯になりやすく進行も早いため、虫歯がなくても定期的に歯医者に通うことが大切です。
小児歯科の選び方|7つのポイント
小児歯科を選ぶ際には、以下の7つのポイントをおさえられているかどうかをチェックしましょう。
小児歯科の知識・経験が豊富な歯科医師がいるか
小児歯科とは、幼児から中学生くらいまでの子供の歯科治療がメインの診療科目です。大人向けの一般歯科とは異なり、乳歯から永久歯への生え替わりや顎の成長を考慮する治療が必要で、小児歯科治療に関する専門知識が必要です。
歯科医院の開業時、法律で定められた診療科目(歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科)のどれを標榜しても問題がなく、小児歯科を専門としていない歯科医師が、小児歯科を診療科目に含めている場合もあります。
そのため、標榜されている診療科目だけでなく、小児歯科の知識・経験が豊富な歯科医師が在籍しているかどうかをチェックしましょう。「小児歯科専門医」が在籍していることも判断基準の一つとなります。小児歯科専門医とは、日本歯科専門医機構の認定資格の一つで、小児歯科に関する専門的な知識と治療技術を有する歯科医師を指します。
子供が通いやすい雰囲気か
病院に対して抵抗感を抱く子供は多く、歯医者に対して「痛い」「怖い」といったネガティブなイメージを持つと、通院を嫌がるようになります。小児歯科を選ぶ際には、子供が怖がらない工夫がされていることや、院内設備が子供目線になって作られていることも大切です。
歯科医師やスタッフが明るく楽しい雰囲気づくりを行なっていたり、治療後にシールやおもちゃといったご褒美が用意されていると、子供も楽しく通えるでしょう。
予防歯科に力を入れているか
歯は生涯付き合っていくもので、虫歯になったら治療をする繰り返しにならないように、子供からの予防が大切です。
小児歯科を選ぶ際には、予防歯科にも力を入れているかどうかもチェックしましょう。予防歯科のメニューとしては、歯磨き指導やシーラント、フッ素塗布などで、虫歯を防ぐ処置をしてくれます。
カウンセリングや説明が丁寧か
お口の状態をわかりやすく説明し、治療内容についても納得できるまで丁寧に教えてくれるなど、親身にカウンセリングをしてくれる歯科医師なら、安心して子供の治療を任せられます。メリットばかりでなく、治療のデメリットやリスクについて詳しく説明してくれるかもポイントです。
通いやすい場所にあるか
治療だけでなく、虫歯や歯周病予防のためにも小児歯科に長期的に通うことになります。わざわざ距離が離れている歯医者を選ぶよりも、家の近くで無理なく通える歯医者を選ぶほうが良いといえます。
診療日や診療時間がライフスタイルに合っているか、予約は取りやすいかなど点もチェックしましょう。
キッズスペースがあるか
子供は歯医者での待ち時間で緊張しやすいため、待合室にもリラックスできる工夫がされていると安心です。キッズスペースが完備され、おもちゃ・絵本・アニメなどが充実していると、待ち時間も楽しく過ごすことができます。
子供の虫歯の特徴
子供の虫歯は以下のような特徴があるため、「虫歯かもしれない」と感じたら放置せずにできるだけ早く小児歯科を受診しましょう。歯の健康のために何も症状がなくても定期的に歯医者に通院することが大切です。
虫歯になりやすく進行が早い
乳歯は永久歯に比べて歯の表面を覆うエナメル質が薄くて弱いため、虫歯になりやすい特徴があります。エナメル質の内部にある象牙質も薄いため、虫歯の進行が早い点にも注意が必要です。
生えたばかりの乳歯および永久歯は、石灰化が進んでいないためやわらかく、ケアを十分に行なわないと虫歯にすぐなる可能性があります。
一度に多くの虫歯ができる
虫歯は1本にとどまらず、同時に多くの歯に発生することがあります。同じ歯の1箇所だけでなく数箇所に虫歯が発生するケースもあります。虫歯が多くなったり進行したりするほど治療の負担も増えるため、虫歯ができたら早めに小児歯科を受診しましょう。
虫歯ができても痛みを感じにくい
乳歯の虫歯は痛みなどの自覚症状を感じにくく、虫歯が進行するまで子供も保護者も気づかないことが多いです。子供が泣きながら痛みを訴えだしたときには、歯に穴があき、神経にまで虫歯が到達していることも少なくありません。仕上げ磨きの時に歯が黒くなっていたり、穴が空いていないかをチェックしましょう。
まとめ
小児歯科を選ぶ際には、知識・経験が豊富な歯科医師がいるか、子供が通いやすい雰囲気か、予防歯科に力を入れているか、などのポイントを意識しましょう。信頼できる小児歯科を見つけられれば、子供の歯の健康を守りやすくなります。基本的には小児歯科を標榜している歯科医院をおすすめします。
あた、子供の歯は虫歯になりやすく進行も早いため、虫歯がなくても定期的に歯医者に通い、予防に取り組むことが大切です。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開