この記事の要約
要約
・親知らずが虫歯になったとしても、抜かなくて良いケースがある
・上下の歯で噛み合っていたり、ドナー歯として保存する場合は抜かなくて良い
・虫歯の親知らずをそのままにすると健康上のリスクもある
【PR】フィリップス 電動歯ブラシ
ソニッケアー 歯科専門家使用率NO.1
最も奥に生えている「親知らず」が虫歯になった場合、どのような処置を行うことになるでしょうか。普通であれば、虫歯は治療をして歯を残すことになりますが、虫歯の親知らずは治療せずに抜くことになるのか、気になるところです。抜歯をしなくても良いケースや、治療しなかった場合のリスクなどをご紹介します。
要約
・親知らずが虫歯になったとしても、抜かなくて良いケースがある
・上下の歯で噛み合っていたり、ドナー歯として保存する場合は抜かなくて良い
・虫歯の親知らずをそのままにすると健康上のリスクもある
親知らずは最後に生えてくる一番奥の歯です。歯ブラシが届きにくく汚れが溜まり虫歯になりやすいとされています。周囲の歯肉が腫れて痛みを引き起こす可能性もあります。親知らずは治療器具も届きにくく、治療しても虫歯が全て取りきれず進行する可能性もあります。
親知らずの虫歯だけでなく、斜めに生えて磨きにくくなると手前の歯(第二大臼歯)も虫歯になるケースもあります。
親知らずは虫歯にならなくてもトラブルを起こしやすい歯です。
親知らずはもっとも奥に生える歯で、傾いたり歯の半分は歯肉に埋まったままなど、きちんと真っすぐ生えないで噛まないケースがほとんどです。歯磨きがしにくく汚れも溜まりやすいので、歯肉炎による痛みが出やすいです。
また、ひとつ手前の第二大臼歯が虫歯になりやすいなどの影響を及ぼすこともあります。斜めまたは横に生えると隣の歯を押して前歯の歯並びを悪くするという諸説があります。隣の第二大臼歯の歯根吸収(しこんきゅうしゅう)を引き起こす原因となることもあるので注意が必要です。
*歯根吸収とは歯の根っこの部分が溶けてしまうことを指します。
親知らずが虫歯にかかっても放置してしまうと、さまざまな健康上のリスクが発生します。
親知らずの抜歯は公的医療保険適用になります。3割負担の場合、初診で3,000円~4,000円、CT撮影をすると3,500円ほど追加でかかります。クリーニングや検査が必要であれば別途かかります。
2024年10月 株式会社メディカルネット調べ
親知らずの抜歯は、初診日にできるとは限りません。炎症や痛みがある場合は、先にお薬などで抑えることからスタートします。歯垢や歯石が多く口腔内の状況が悪ければ、親知らず抜歯後の治りが悪くなる可能性があります。クリーニングで取り除き、炎症を軽減して抜歯することもあります。
より安全に抜歯をするためにCT撮影などの精密検査を行います。消毒や抜糸をすることもあり、2回〜3回通院することも多いです。
虫歯になった親知らずは、抜歯しなくて良いケースもあります。ただし、虫歯の歯を残すので、健康上のリスクがあります。虫歯は自然に治癒することはなく、進行すると神経が死ぬこともあるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開