list 歯医者さんネット
虫歯 自力で治す

虫歯が痛い状態を自力で治す方法はある?対処法や注意したいことも

【PR】フィリップス 電動歯ブラシ
ソニッケアー 歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

「虫歯かもと思っていた歯が急に痛くなったが、歯医者に行く時間がない。歯医者に行かなくても虫歯の痛みに対処できる方法って、何があるの?」そんな疑問をお持ちの方は多いです。

虫歯治療は歯科医院で受けますが、患者さん自身で虫歯の痛みをある程度和らげる方法がありします。今回は、虫歯の進行度に伴う症状の変化、自分でできる虫歯の痛みの4つの対処法、注意すべき4つのポイントを解説します。

この記事の要約

・歯の硬組織は自然治癒力を持たないため、虫歯を自力で治す方法は基本的にない
・痛い部分を冷やす、痛み止めを服用する、お口の中を清潔にする、手のツボを押すといった方法で、歯の痛みを和らげることが可能な場合がなる
・虫歯が痛い時に痛い部分に触れたり、熱いもの・冷たいもの・アルコールを摂取したり、お風呂に長時間浸かるのは痛みを増幅させ得る

「虫歯が痛い」を自力で治す方法はない

歯の硬組織は自然治癒力を持たないため、基本的に削る治療無しで虫歯が改善することはありません。虫歯を放置すると、症状が悪化し、現状より悪くなるという認識を持ち、早めに虫歯の治療を受けましょう。

ただし、虫歯の症状が初期であれば、虫歯によって失われたミネラルを取り込む「再石灰化(さいせっかいか)」を促せば、歯の状態が改善する可能性もあります。

虫歯の進行度|痛いのはどの段階?

虫歯の進行度に応じて痛みの症状などが異なります。進行度に伴う虫歯の4つの分類と、具体的な症状を詳しく紹介します。

C0:治療の必要はない状態


C0は虫歯になった初期の段階です。歯の溝の部分がやや茶色くなるなどし、歯の色に大きな変化はみられず、見た目で虫歯と気付きにくいです。

正しく歯磨きを行うことによって虫歯の進行を食い止めたり、自力で虫歯を治すことも可能な段階です。C0の状態では経過観察を行いますが、必ずしも治療を受ける必要はありません。

C1:エナメル質が虫歯になっている状態


C1は虫歯が歯の再表層のエナメル質の部分に進行している段階になります。溝が黒く変色することや、歯が茶色や褐色に変わり小さな穴ができれば目視でも確認できます。

ただし、痛みや歯がしみる自覚症状はほぼなく、患者さんが自分で虫歯に気付くのは難しいです。すでに歯に小さな穴ができるケースもあることから、歯科医院で必要な治療を受けることが望ましいです。

C2:虫歯が象牙質まで進行した状態


C2は虫歯がさらに進行し、エナメル質の下の象牙質に虫歯が達した状態です。象牙質はエナメル質に比べて軟らかく、より虫歯菌の酸で溶けやすいため、虫歯が進みやすいです。

C2に達すると、患者さん自身が痛みを自覚し、口臭や冷たいものや甘いものが歯にしみる症状が出現します。可能な限り早く治療を受けることが求められます。

▶歯を削ったあとの痛みが気になる場合は『虫歯を削った歯が痛い!?』の記事をご覧ください。

C3:虫歯が歯の神経にまで進行した状態


C3に至ると、虫歯が象牙質の下にある「歯髄(しずい)」と呼ばれる、歯の神経まで進行します。この状態では歯に大きな穴が空いたり、外から見てもわかるほどに歯が変色しているため、大半の人が虫歯に気付くレベルになります。

さらに、虫歯が歯髄に達して痛みの症状を起こし、食べ物がしみた時や、噛み合わせた時に加えて、何もしていない時も歯がズキズキ痛むようになります。日常生活に支障が出るケースもあるため、早急に治療を受けましょう。

C4:歯根部分のみが残っている状態


C4は虫歯の最終段階で、虫歯菌が歯を大きく溶かした状態です。歯のほとんどが喪失し、歯の根元の部分だけが残ります。

最終的に、虫歯菌が歯を溶かし、歯の根も溶かしてしまいます。C4では歯茎の腫れを伴った激しい痛みが発生することもあります。虫歯が歯の根っこの先端(神経の奥)まで進み、歯の神経が完全に死んでしまうと、突然痛みが消える期間があります。ただし、痛みが消えた後も虫歯は進行を続け、再度強い痛みが出ることが大半です。治療を受ける必要があります。

虫歯 自力で治す

虫歯が痛いときに自分でできる対処法4選

虫歯の痛みに対して自分でできる対処法を知っていると、役に立ちます。痛みを和らげるために効果的な対処法は以下の4つです。

①痛い部分を冷やす


痛みが生じている部分を冷やすことによって、痛みを和らげることが可能です。ただし、氷を用いて冷やしてしまうと、血流悪化を招きます。結構不良で症状悪化を招かないように水で濡らしたタオルを頬に当てる程度がよいとされています。

さらに、虫歯の状態によっては、冷やすと痛みが増してしまうケースもあります。痛みや腫れによって熱を持っている状態の時に冷やしましょう。

②お口の中をきれいにする


お口の中の痛みには、食べ残しや歯垢などが患部に詰まって、歯の神経を圧迫する場合があります。歯磨きを丁寧に行ったり、水やうがい薬でゆすぐことによって、痛みを和らげられる可能性があります。

痛みの原因物質が歯の間にある場合、デンタルフロスや歯間ブラシ、爪楊枝を使って除去することも選択肢の一つです。刺激により痛みが悪化する可能性もあるため、鏡を見るなどして可能な限り慎重に汚れを取ることを心がけていきましょう。

③痛み止めを服用する


市販されている痛み止めの薬の中には、虫歯などによる歯の痛みに対しても効果を発揮するものがあります。急に痛みが発生して病院に行くことができない場合などにおいては、痛み止めを服用することでその場を凌ぐことが可能なことがあります。

ただし、薬の効能に「歯痛」や「抜歯後の痛み」などの記載があったり、即効性のある痛み止めを使わないと、期待した効果が中々発揮されないケースもあります。可能であれば医師から処方されたものを使用するのが望ましいです。市販薬を用いる場合、使用前に虫歯に関連する項目を確認しておくとよいでしょう。

参考:埼玉県歯科医師会

手のツボを押す


親指と人差し指の付け根における、人差し指と親指の骨が合流する位置に、「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボがあります。合谷は熱を排出する作用を備えており、炎症の症状を和らげる効果を持つため、親指で押すことによって、歯の痛みを和らげることができるかもしれません。

ツボを押す強さは「痛気持ちいい」と感じるレベルで、2〜3分ほど押し続けるとよいとされています。合谷には歯の痛みの軽減に加えて、肩こりや眼精疲労を抑える効果もあると考えられています。

虫歯が痛いときに注意したいこと4選

対処法により痛みが助長されてしまうこともあります。この項目では、虫歯の症状がある際に気をつける4つの行動を紹介します。

①痛い部分を触らない


お口の中に痛みが生じると、ついつい気になってその場所を触りたくなってしまうかもしれません。痛みがある部分に刺激を加えると、痛みが強くなる可能性が高くなるだけでなく、指で触れた場合は指に付着している細菌が患部に移り、症状の悪化を招く危険もあります。

患者さんは無意識に舌で患部を触れているケースもあるため、注意が必要です。

②熱いもの・冷たいものは避ける


虫歯が歯の深い位置まで達すると、熱いもの・冷たい物を口にした時に歯がしみます。多くの場合、熱いものを摂取した際に痛みを感じるケースは虫歯がかなり進行した状況に限られますが、冷たいものは、虫歯の段階が比較的初期のころから痛みが生じます。

虫歯がある場合は熱いものや冷たいものを控え、痛みが増すような刺激を与えないのが無難です。痛みがある側の歯で噛むことも少し控えましょう。

③アルコールを控える


虫歯によって歯に痛みが生じている時にアルコールを飲んでしまうと、血行が良くなり痛みや腫れが強くなってしまう可能性があります。アルコールを摂取すると体温が上昇し血流が良くなり、歯の神経を圧迫して痛みが増すことにつながります。

アルコールは歯を刺激することもあるため、その点もリスクです。これらの理由から、虫歯になっている状態で飲酒することは控えたほうがよいと考えられています。

④お風呂に長時間浸からない


身体が温まると血流が促進され、歯の神経が圧迫されて歯の痛みが増加してしまうことがあります。虫歯を抱えている状態で熱いお風呂に長時間浸かることは、少なからずリスクになります。

お風呂に長時間浸かることは避け、シャワーを短時間浴びるくらいにとどめておくことをおすすめします。

まとめ

歯の硬組織には自然治癒力がないため、虫歯の痛みを自力で治す方法は基本的にありません。患者さん自身で行える対処法(痛い部分を冷やす、お口の中をきれいにする、痛み止めを服用する、手のツボを押すなど)を覚えておきましょう。

これらの方法はあくまで痛みに耐えられない際に行う応急処置で、根本的な解決策にはなりません。虫歯を削ることが必須です。歯が痛む場合はできる限り早く歯科医院に足を運び、虫歯の治療を始めていくことを強くおすすめします。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

Photo by 
fotolia 

Editor's pick