歯周病予防のために「毎日の歯磨きを頑張ろう」と考える方も多いと思います。そこで、効率的な歯磨きのために電動歯ブラシを使ってみたいけど、「本当に効果があるの?」「どれを選んだら良いの?」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、電動歯ブラシは歯周病予防に効果があるのか、歯周病予防のための電動歯ブラシの選び方やおすすめの製品を紹介します。
記事のポイント3つ
・手磨きよりも電動歯ブラシのほうが歯周病予防効果が期待できる。
・電動歯ブラシは簡単に短時間で歯垢を落とせる一方で、使い方を間違えると歯や歯茎を傷つける恐れもある。
・電動歯ブラシを選ぶ際は、駆動方式、持ち手の形状、給電方式、搭載機能を確認する。
歯周病予防には手磨きよりも電動歯ブラシがおすすめ!
歯周病の原因は、歯に付着している歯垢(プラーク)です。歯垢は細菌の塊で、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目に多く付着しています。
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きによる丁寧な歯垢の除去です。歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて、歯垢や歯石を徹底的に除去してもらうことも大事です。
毎日の歯磨きでは、手磨きよりも電動歯ブラシのほうが効率的にブラッシングができる可能性が高いです。実際に、手磨きしていた人が1週間電動歯ブラシを使ったケースでは、歯垢の付着状況、歯茎の腫れ・出血などが改善されたという報告があります。
参考:電動歯ブラシによるプラークコントロール効果について
デンタルフロスや歯間ブラシも必要
歯周病の原因となる歯垢を除去するには、ブラッシングだけでは不十分です。丁寧に歯磨きしているつもりでも歯と歯の間に歯垢が残っている可能性が高いです。デンタルフロスや歯間ブラシも必ず活用しましょう。
歯磨き粉はあくまでも補助的なもの
さまざまな歯磨き粉が販売されていますが、いずれも歯周病の予防や改善に効果があるとは言い切れません。歯周病予防が広告の歯磨き粉も十分なエビデンスが無いかもしれません。
どの歯磨き粉も似たような成分が配合されており、あくまでもブラッシングの補助と考えましょう。歯磨き粉の成分よりも、歯垢を丁寧に除去することが最も重要です。
電動歯ブラシのメリットとは?
電動歯ブラシを使うメリットは、効率的に歯磨きが行える点です。手を細かく動かし続けなくて良いうえに、短時間で歯垢を落とすことができます。小さい子どもや手が不自由な方、手磨きが上手にできない方のメリットが大きいです。また、ヘッドを付け替えれば家族で電動歯ブラシ本体を共有できます。
電動歯ブラシのデメリット?
手磨きの歯ブラシは1本200円程度で購入できますが、電動歯ブラシは数千円〜数万円など高価な製品が多いです。電池や充電が必須で、人によっては手間を感じるでしょう。また、重い製品がある点もデメリットです。
ほか、電動歯ブラシの力加減を間違えると、歯や歯茎を傷つけてしまうため注意しましょう。
歯周病予防におすすめの電動歯ブラシの選び方
歯周病予防のために電動歯ブラシを購入する際の選び方を紹介します。
駆動方式で選ぶ
電動歯ブラシと一口に言っても種類はさまざまで、回転式・振動式・音波式・超音波式の4つの駆動方式があります。
回転式
丸いブラシがグルグルと回転し、歯をしっかりと磨けるのが回転式の特徴です。4つの駆動方式の中でも特に磨く力が強く、高い歯垢除去力を有する製品が多いといえます。
ヘッドのサイズがお口に合っていれば、奥歯もしっかり磨けます。ただし、押しつけるように磨くと歯や歯茎を傷つけてしまう点には注意が必要です。
振動式
ヘッドが細かく振動するタイプの電動歯ブラシです。回転式と比べると力強さがない分、歯垢除去力はやや劣りますが、歯や歯茎をケアしながら歯磨きできます。電動歯ブラシの中でも振動式は価格が抑えられており、持ち運びにも便利です。
音波式
振動式よりも細かく速く振動するのが音波式です。音波の振動によって小さな泡を発生させ、泡が弾ける力で歯垢などの汚れを落とします。
毛先が直接当たっていない周辺の汚れも落とせる点が特徴で、歯周ポケットに入り込んだ歯垢もある程度は除去可能です。
超音波式
超音波式は、音波式よりもさらに細かく速く振動する駆動方式です。1秒間に160万〜200万回もの振動を発生させます。細菌の膜であるバイオフィルムの除去も可能で、歯や歯茎への負担も抑えられます。
一方で、歯垢などの汚れをきれいに落とすには、手磨きのように電動歯ブラシを動かさなければなりません。
持ち手の形状で選ぶ
磨きやすさ・使いやすさを考慮すると、持ち手が円形で細いタイプがおすすめです。手磨きと同様に、電動歯ブラシもペンのように持つペングリップが適しています。ペングリップはヘッドを調整しやすいうえに、力加減を抑えられるメリットがあります。
給電方式で選ぶ
給電方式は、充電式と電池式の2通りです。充電式は電池交換の手間がなく、ランニングコストの面でも優れています。また、パワーが強い傾向にあるため、歯垢除去力を重視する場合は充電式がおすすめです。
一方で電池式は設置スペースの心配がなく、持ち運びにも便利な点がメリットです。電池の予備があれば「充電し忘れて使えない」といった事態も避けられます。
搭載機能で選ぶ
電動歯ブラシは、製品によってさまざまな機能を搭載しています。力の強弱や振動スピードの調整ができるものも多く、そのほかにも、歯茎ケア、ホワイトニング、舌のクリーニング、アプリ連携などの機能を搭載している製品もあります。アプリ連携を活用すると、磨き残しや磨き方の癖などをチェックできます。
適切な歯磨きによって歯周病予防を行いたい方は、歯茎ケアやアプリ連携などの搭載機能もチェックしてみましょう。
歯周病予防におすすめの電動歯ブラシ5選
数多くの電動歯ブラシの中でも、歯周病予防におすすめの製品5選をご紹介します。
ブラウン|電動歯ブラシ オーラルB iO2S iOS21D90BK
回転式電動歯ブラシで有名なブラウンの製品です。「iO2」は丸型の回転ブラシ1本1本が振動し、高い歯垢除去力を発揮します。押しつけ防止センサー機能があり、歯肉を傷つけてしまう心配も少ないです。
参考価格:11,800円(税込)
フィリップス|ソニッケアー 2100 HX3651/23
毎分約3万1,000回の振動による音波水流を発生させによって効果的に歯垢を落とします。優しい使い心地のため、歯周病予防に有効です。また、USB充電式のため、場所をとらずに使用できます。
参考価格:5,980円(税込)
フィリップス|ソニッケアー プロテクトクリーン HX6809/71
ソニッケアーの中でも、歯と歯茎を守る「プロテクトクリーンシリーズ」の製品です。音波水流で効果的に歯垢の除去が可能で、過圧防止センサー機能を搭載しています。ブラシが強く当たっている場合、センサーが感知して振動が変化します。歯茎を優しくケアするブラッシングが可能です。
参考価格:13,310円(税込)
エペイオス|OKare! 音波電動歯ブラシET003
毎分約3万2,000回の音波が発生し、効率的に歯垢を取り除けます。Clean・White・Sensitive・Polishという4つのモードを使い分けて歯磨きできる点も特徴です。カラーも豊富で毎日の歯磨きが楽しくなりそうです。
参考価格:5,980円(税込)
ブラウン|電動歯ブラシ オーラルB iO4 iOG41B60BK
「iO4」はすでにご紹介したブラウンオーラルB「iO2」よりも多機能な電動歯ブラシです。
標準クリーン・やわらかクリーン・超やわらかクリーン・ホワイトニングという4つのモードを搭載しています。また、スマート押しつけ防止センサーが歯や歯茎を守ります。さらにアプリ連携機能が備わっている点も特徴です。
参考価格:17,380円(税込)
まとめ
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きで丁寧に歯垢を除去することです。電動歯ブラシは通常の歯ブラシよりも効率的に歯垢を落とせるという報告があり、歯周病予防にもおすすめです。
しかしながら、電動歯ブラシでも歯と歯の間などを磨ききることは難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシを必ず併用しましょう。電動歯ブラシを選ぶ際は、駆動方式、持ち手の形状、給電方式、搭載機能をチェックしましょう。
歯周病は痛みを伴わないケースが多いため、丁寧な歯磨きを心がけても、いつの間にか進行している恐れがあります。歯磨きを継続しつつ、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。
この記事で「歯周病予防におすすめの電動歯ブラシは?」というあなたの疑問が、少しでも解消されたら幸いです。