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「歯医者さんが作ったチョコレート」|4つの特徴と2つの注意点

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「子どもがチョコレートが大好きで、虫歯にならないか心配。虫歯になりにくいチョコレートがあると聞いたけど、それって本当?」そんな疑問をお持ちの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

「歯医者さんが作ったチョコレート」という商品が実在し、キシリトールという虫歯を防ぐ効果のある甘味料が使われています。今回は、キシリトールの効果に加え、歯医者さんが作ったチョコレートの4つの特徴、効果的な食べ方、2つの注意点などを解説します。

この記事の要約

・「歯医者さんが作ったチョコレート」には砂糖の代わりにキシリトールが使われているため、虫歯になるリスクがほぼない
・キシリトールは虫歯の原因菌に酸を作らせず、菌の増殖や歯垢の形成を防ぎ、唾液の分泌と歯の再石灰化を促す効果がある
・「歯医者さんが作ったチョコレート」は妊娠中や糖尿病の方でも食べられるが、大量に食べるとお腹がゆるくなる可能性がある点と、虫歯を防ぐために歯磨きも必須である点に注意が必要となる

歯医者さんが作ったチョコレートとは

「歯医者さんが作ったチョコレート」は、虫歯の原因となる砂糖を一切使用せず、虫歯を防ぐ効果を持つ「キシリトール」を100%使用して作られているチョコレートです。通常のチョコレートには多くの砂糖が使われ、虫歯リスクが高くなります。

歯医者さんが作ったチョコレートは食べても虫歯にならないだけでなく、唾液分泌を促進し、歯の再石灰化を進行させる効果を持っています。チョコレートを食べながら虫歯を予防できるという大きなメリットのあるお菓子です。

キシリトールとは


キシリトールは「糖アルコール」に属する甘味料の一種であり、糖アルコールの中でも最も甘い点が特徴です。甘味度は砂糖と同等で、天然代用甘味料という表現の通りに、砂糖なしでも十分甘いので重宝されています。

キシリトールは甘味があり、唾液分泌を促します。加えて、カルシウムレベルを上昇させ、歯の再石灰化を促します。さらに、キシリトールは虫歯の原因菌に栄養として利用されることがなく、歯を溶かす酸を作らせないため、虫歯予防につながると考えられています。

歯医者さんが作ったチョコレートの4つの特徴

歯医者さんが作ったチョコレートはキシリトールを用いているため、通常のチョコレートとは異なる特徴があります。歯医者さんが作ったチョコレートの4つの特徴を紹介します。

①虫歯の原因となる酸を作らせない


虫歯とは、ミュータンス菌に代表される虫歯の原因菌が出す酸の影響で、歯が溶けてしまうことです。虫歯の原因菌は炭水化物(糖分)を分解することで酸を発生させますが、虫歯原因菌はキシリトールを利用することができないので、キシリトールから酸が作られません。

歯医者さんが作ったチョコレートには甘いキシリトールが含まれ、虫歯になるリスクが低くなる素晴らしい食べ物です。

②虫歯の原因菌の増殖やプラーク(歯垢)の形成を抑える


虫歯の原因となるミュータンス菌は、キシリトールを取り込む際にエネルギーを消費します。キシリトールを取り入れても、酸を出さずにエネルギーを使うことになります。

そのため、キシリトールは虫歯の原因となる酸を作らせないというだけでなく、菌のエネルギーだけを奪い、数を徐々に減らすことができます。虫歯の原因菌の減少はプラーク(歯垢)の形成も抑えることもでき、虫歯リスクを軽減することに繋がります。

③唾液の分泌を増やして再石灰化を促す


キシリトールを含む糖アルコールは清潔感のある甘みを持つため、味覚が刺激され、唾液分泌を促進します。唾液にはお口の中の細菌の増殖を防ぐ効果があることから、唾液分泌の増加は虫歯予防の効果をもたらします。

さらに、糖アルコールは口腔内のカルシウムレベルを上昇させ、歯の再石灰化を促します。歯の再石灰化が進むと、歯の強度が向上し、虫歯になりにくくなります。

④糖尿病や妊娠中の方も食べられる


妊娠中は血糖を下げるインスリンの働きが抑えられ、胎盤からインスリンを壊す働きを持つ酵素が発生します。妊娠中は血糖の調節が難しくなるため、通常の状態よりも血糖値が上がりやすい状態に陥ってしまいます。

そのため、妊娠中の方、また糖尿病の方のような、血糖値のコントロールが困難な人は、チョコレート(砂糖)を摂取することはできるだけ控えたほうがいいと考えられています。キシリトールなら血糖値を上昇させないため、歯医者さんが作ったチョコレートであれば、妊娠中の方や糖尿病の方でも安心して食べることができます。

歯医者さんが作ったチョコレートの効果的な食べ方

歯医者さんが作ったチョコレートは、虫歯の原因菌の働きを抑制します。食べる際にお口の中でゆっくり溶かして摂取することによって、虫歯効果を得られます。また、食べるタイミングは歯磨きをした後や寝る前にしておくと、効果が得られやすいでしょう。

キシリトールを1日3回、3ヵ月以上にわたって継続的に摂取することによって、虫歯の原因菌の数を減少させる(虫歯予防の)効果が高まると考えられています。歯医者さんが作ったチョコレートも、1日3回のペースで3カ月以上は摂取を続けるとよいでしょう。

何歳から食べられる?


歯医者さんが作ったチョコレートは2歳以上であれば食べられますが、幼児に与える量には注意が必要です。2歳以上の幼児には1粒程度、5歳以上には1〜3粒程度を目安に食べさせるとよいでしょう。

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歯医者さんが作ったチョコレートの2つの注意点

歯医者さんが作ったチョコレートは虫歯を予防に効果的な食べ物ですが、摂取の際に注意点があります。特に意識すべき注意点は、主に以下の2種類です。

①大量に食べるとお腹がゆるくなる場合がある


キシリトールは他の代用甘味料と同じく、腸内で水分を引き込む下剤に近い働きを持ちます。歯医者さんが作ったチョコレートのような、キシリトールが多く含まれる食品を大量に摂取した場合、お腹がゆるくなって下痢の原因になることがあります。

お腹がゆるくなるか否かの度合いは、腸の長さや水分の摂取量といった複数の要因によって変わり、個人差があります。ただし、一度に30〜40g以上の量を摂取するとお腹に影響が生じる可能性が高まるとされているため、摂取量はそれ以下にとどめたほうが安全でしょう。

②絶対に虫歯にならないわけではない


歯医者さんが作ったチョコレートを食べれば、絶対に虫歯にならないわけではありません。キシリトールの摂取によって歯垢の形成をある程度抑えることはできますが、キシリトールだけでは歯垢自体を取り除くことは不可能であるため、ご自身のブラッシングや歯科医院でのクリーニングによって歯垢をしっかりと取り除いてあげる必要があるのです。

キシリトールの摂取は歯磨きなどの日常的な口腔ケアの補助的効果があるものの、毎日のブラッシングを丁寧に行う意識を持つことが重要という点は頭の片隅に入れておきましょう。

まとめ

歯医者さんが作ったチョコレートは、甘味料としてキシリトールが使用され、虫歯予防の効果が期待できる食品です。虫歯の原因となる酸を虫歯菌に作らせない、虫歯菌を増殖させないといった特徴があるため、食べても虫歯になりにくく、虫歯予防の効果が期待できる点もポイントです。

ただし、大量に食べるとお腹がゆるくなる(下痢になる)場合があったり、歯の汚れ(歯垢)自体を取り除くものではないため、毎日のブラッシングを欠かさず行わないと虫歯をしっかりと予防できません。チョコレートが好きで虫歯予防もしたい方に非常に魅力的な食品ですので、興味がある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

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