あなたが使っているハブラシはどんなハブラシですか?今は、形や色、毛の硬さなどで迷ってしまうくらい沢山の種類がありますよね。歯磨きの習慣が始まった頃にさかのぼると、ハブラシは木の枝で作られていたそうです!?
木の枝で作られた歯ブラシ「歯木」
木の枝で作られた歯ブラシは「歯木(しぼく)」と呼ばれ、現在でも、インドやアフリカなどの国で使用されているところもあります。タンニンやフッ素など、歯の健康に保つ効果のある成分が樹液に含まれた「薬木」を使い、木の枝の一端を歯で噛んで柔らかくし、ハブラシ状にするそうです。
歯を磨くという行為は、お釈迦様が弟子たちに教えた「歯磨き習慣」に始まり、6世紀頃に仏教とともに「仏教医学」として日本にも伝わりましたが、その時も、この「歯木」の一種が使用されていたそうです。
日本の歯ブラシの歴史
日本に歯磨き習慣が伝わったころの歯ブラシは、柳、杉、竹などの素材の先を細く切ったものを利用したもので、「房楊枝」(ふさようじ)と呼ばれていました。
「房楊枝」は、その反対側はきちんと削られているものもあって、楊枝として歯間にはさまった食べかすや、舌の汚れなどを取り除くのにも使っていたそうです。現代で言う、「デンタルピック付きハブラシ」ですね。これは便利そう。
ちなみにこの頃の歯磨き粉は、「房州砂という細かい砂に、丁子(スパイスの一種、クローブ)やじゃ香、ハッカなどの香料を混ぜたもの」や「焼き塩」、「ワラ灰」などを使い、「房楊枝」の先や、指につけて歯を磨いていたようです。
この歯木は、平安時代から鎌倉時代にはすでに民間でも使われるほどで、江戸時代になると「歯磨き習慣」も一般庶民に広く普及していったそうです。
現代のハブラシの形になったのは明治時代、インドから輸入したイギリス製のハブラシを見本に、鯨のヒゲで柄を作り、馬の毛を植えたのが原型です。この頃には西洋処方やアメリカ処方の歯磨き粉も登場しています。
そして日本では歯ブラシは様々に改良されていきました。
「柄の先にブラシがついている」という基本的な形は歯木の頃からあまり変わっていませんが、今では持ち手の形をより持ちやすく、細かいところも磨きやすいブラシで、様々な部位を磨けるように色々な形をした歯ブラシがどんどん開発され、たくさんの種類から選ぶことができます。
それにしても、歯磨き粉に砂を使っていたとは、ちょっとジャリジャリして痛そうですね・・・。
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