歯の痛みが我慢できなくなり歯医者に行こうと思うものの、かかりつけの歯医者がない場合には「どこに通うのが良いのだろう」と悩んでしまいますよね。
歯医者を選ぶ基準がわからず困っている、歯医者選びで失敗したくない、といった方のために、歯医者さんの選び方9選を紹介します。
この記事のポイント3つ
・院内の設備や衛生管理についてもチェックすると良い。
・通院しやすいエリアにあることも重要。
・口コミを信用し過ぎず、ご自身の目的や症状にあったタイプの歯医者さんを選ぶ。
失敗しない歯医者さんの選び方9選
歯医者さんの選び方には9つのポイントがあります。それぞれ詳しく解説します。
①検査や治療について丁寧に説明してくれるか
何の目的でどのような検査を行うのか、歯のどこに問題があるのか、これからどのような治療が始まるのかなど、検査や治療について逐一説明してくれる歯医者さんを選ぶようにしましょう。
また、治療のメリットだけでなくデメリットやリスクも説明してくれて、保険診療や自由診療など治療の選択肢を提示してくれる歯医者さんは、患者さんに寄り添う姿勢があるといえます。
詳しい説明がないまま治療が進むと、歯医者さんへの不安や不信感が募ってしまい、納得のいく治療が受けられません。候補の歯医者さんが無料カウンセリングなどを行っている場合には、足を運んで実際に説明を受けてみましょう。
②高い治療技術を持っているか
歯医者さん選びにおいては、高い技術力や専門性を有していることも重要なポイントです。虫歯治療一つとっても、患者さんに配慮して麻酔を行い、必要な範囲だけ的確に削り、再発を防ぐために適切な被せ物を装着するといった技術力が求められます。歯医者さんのホームページに掲載されている資格、経歴、実績などを確認するのも一つの手です。
③設備が整っているか
歯科医師の経験や勘だけでは精度の高い治療を提供することは難しく、先端的な機器・設備が整っているかどうかも歯医者さん選びでは大切です。レントゲン、歯科用CT、マイクロスコープなどの機器はより正確な診断と治療に役立ちます。
このほか、個室診療室、駐車場、キッズスペース、バリアフリー対応などが整っているとより安心・快適に利用できるでしょう。
④衛生管理が徹底されているか
歯医者では口腔内の治療を行うため、衛生管理が徹底されていることが必須です。治療器具の消毒・滅菌や適切な保管、ディスポーザブル(使い捨て)の紙コップや紙エプロン、診療室の清掃などが行われていない場合、治療を通じて感染症にかかるリスクが高まります。
衛生管理体制については、歯医者さんのホームページに記載されていることもあるため確認してみてください。
⑤歯科医師の人柄が良いか
歯科医師の人柄が良ければ、不明点や不安なことなども気軽に相談でき、安心して治療を受けられます。また、ストレスなく通院するためには、歯科医師だけでなく歯科衛生士、歯科助手、受付スタッフなどが明るく対応してくれることも大切です。安心して通える歯医者さんを選びましょう。
⑥わかりやすい料金体系か
歯科治療では、公的医療保険適用診療のほかに自由診療を選べるケースも多々あります。自由診療は歯医者さんによって料金体系が異なり、歯の状態によっても使用する材料や治療工程が変わってくるため、治療にかかる費用を把握しにくいといえます。
ホームページで料金表を掲載していて、想定される費用を事前に詳しく説明してくれるなど、料金体系が把握しやすいかどうかも重要なポイントです。
⑦受け入れている患者数は適正か
いつも待合室が混んでいる歯医者さんは人気のように思えますが、受け入れる患者数の調整ができていない場合もあります。キャパシティを越えた患者数を受け入れている場合、混雑していて待ち時間が長く、その割に一人ひとりの診療時間は短いといった事態が起こり、必要なときに適切な治療を受けづらいかもしれません。
受け入れ患者数を適正に保ち、患者さん一人ひとりの治療の時間を十分に確保している歯医者さんを選びましょう。
⑧通いやすいエリアにあるか
虫歯治療の場合も、基本的には複数回の通院が必要となります。また、治療完了後も定期的に検診を受けに歯医者さんに通うことになります。そのため、通いやすさは非常に重要です。
口コミが良いからなどの理由でわざわざ自宅や職場などから遠い歯医者さんを選ぶと、通院のたびに負担を感じることになるためご注意ください。
⑨スタッフの入れ替わりが激しくないか
スタッフの入れ替わりが激しい場合、ここでは患者さんのために働けない、経営方針に疑問がある、問題があるスタッフがいるなど、院内で何かしら不満や問題がくすぶっているのかもしれません。スタッフの入れ替わりが激しく、頻繁にホームページで求人を行っているような歯医者さんは注意が必要といえます。
逆にスタッフの定着率が良い歯医者さんは、院内の雰囲気が良く、自分の家族や大切な友人にもこの歯医者を勧めたいと考えている場合が多いです。
歯医者さんの選び方で多くの人が実際に重視しているポイントは?
日本私立歯科大学協会が実施したアンケート調査によると、「かかりつけ歯科医院を選ぶ際の重視ポイント」として「立地がよい」が59.4%で最も多いことがわかります。以下、「歯科医師の人柄がよい(54.1%)」「歯科医師の技術が高い(50.1%)」と続きます。
参考:一般社団法人日本私立歯科大学協会 「歯科診療」および「歯科医師」に関する第5回意識調査 図表13:「かかりつけ歯科医院を選ぶ際の重視ポイント」
歯医者さんの選び方で注意したい3つのポイント
歯医者さんを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
①口コミを信用し過ぎない
患者さんそれぞれで症状、治療内容、重視するポイント、感じ方などが異なるため、歯医者選びにおいては口コミを鵜呑みにしないよう気をつけましょう。もしかしたら専門業者が評判を落とすために書いているのかもしれません。実際に歯医者さんを訪れて、自分の目で確かめることが大切です。
②目的や症状に合ったタイプの歯医者さんを選ぶ必要がある
虫歯治療であれば一般歯科、矯正治療であれば矯正歯科、セラミックやインプラントであれば審美歯科、子どもが通うのであれば小児歯科といったように、目的や症状に合ったタイプの歯医者さんを選びましょう。
③自由診療を過度に勧める歯医者さんは避ける
公的医療保険適用の診療よりも自由診療のほうが選べる材料や治療工程が広がるため、患者さんにより適した治療が行えるといえます。しかしながら、公的医療保険が適用の診療に比べて高額になるケースが多いです。真に患者さんに寄り添ってくれる歯医者さんであれば、公的医療保険が適用の診療と自由診療それぞれのメリット・デメリットを説明しながら選択肢を提示してくれます。
自由診療を過度に勧めてくる場合、公的医療保険診療での治療を申し出にくくなったり、快く対応してくれなかったりする可能性もありますのでご注意ください。
まとめ
歯医者さんの選び方としては、検査や治療について丁寧に説明してくれるか、設備が整っているか、歯科医師の人柄が良いか、などがポイントとなります。
また、日本私立歯科大学協会の調査によると、かかりつけの歯医者を選ぶ際には「立地がよい」「歯科医師の人柄がよい」「歯科医師の技術が高い」などが重視されていることがわかります。
自分に合った歯医者さんを選ぶことで、治療を継続しやすくなるだけでなく、メンテナンスにも通いやすくなり、歯の健康につながります。虫歯は放置していても良くなることはないため、早めに受診しましょう。この記事で、歯医者さんの選び方に関するあなたの疑問が少しでも解消されましたら幸いです。